【ワケあり車なのに】ランボルギーニ・ミウラP400 オークションで8652万円 コロナ禍をうっちゃる人気
公開 : 2020.06.26 11:50 更新 : 2021.10.11 09:33
ワケありの「ランボルギーニ・ミウラ」が競売に登場。なかなか出品されない「P400」ですが、入札は伸びないと予想。そのワケとは? 新型コロナウイルスによる世界的な混乱の中、8652万円で落札されました。
“時代を越えた”ミウラ
ランボルギーニのクラシック・モデルの中で、別格の存在として高い人気を誇るのがミウラである。
ランボルギーニ初のミドシップ・ベルリネッタとして1966年に登場したミウラは、伝統の12気筒エンジンをミドに横置きで搭載する斬新なレイアウトが特徴だった。
基本企画はジャンパオロ・ダラーラ、エンジンの基本設計はジョット・ビッザリーニ、それパオロ・スタンツァーニがモディファイし、デザインは当時ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニが手掛けるという、アンチ・エンツォ陣営の英知を集結した1960年代を代表するスーパースポーツといえた。
ミウラのスタイリングはどのクルマにも似ていない。低く流麗、かつ官能的で、ガンディーニらしい時代を先取りした独創的なデザインは、新た時代の到来を告げるものだった。
存在感の高さから一見すると大きく見えるが、3サイズは4360×1760×1055mmと現代のCセグメント車とほぼ同じ全長ながら、スリムで低かったのである。
そんな注目のミウラが、RMサザビースのオンライン・オークションに姿を現した。
コレクション放出のP400
今回出品されたのはベースグレードといえるP400で、フランスでスポーツカーを集めていていたマルセル・プチジャン氏のコレクション放出車である。
プチジャン氏はレーシング・ドライバーであるとともに熱烈なエンスージアスト。
フランスのドイツ国境近くにあるストラスブールにコレクションハウスを設け、1960年代から各国のあらゆるスポーツカーを買い集めミュージアムに収めてきた。
今回紹介するミウラP400は、シャシー・ナンバー3111が与えられ57番目に製作されたもの。1967年9月2日にパリのランボルギーニ・エージェントのヴォワチュール・パリ・モンソーにデリバリーされ、デモカーとして使われていた。
1968年に映画「個人教授」の劇中車として起用されたヒストリーを持つ。
その後1969年に、TVプロデューサーに売却されアルザス地方で登録。
1979年には、プチジャン氏が購入して彼のコレクションに加わる。当初はドライビングを楽しんでいたようだが、近年はほとんど動くことはなかったという。
そのことが、オークション主催者が発表している予想落札額に影響することになる。