【39年連続売上No1は確実!?】アメリカの最強ピックアップ「F150」フル刷新 まるでプレミアムセダン
公開 : 2020.06.27 05:50
ついにハイブリッド 性能/効率向上
今回フルモデルチェンジでの話題のひとつは、ハイブリッドエンジンの採用だ。
3.5L V型6気筒ターボのエコブーストに、35kwの電動モーターを組み合わせた。変速機は10速ATのセレクトシフトを使う。
電気容量1.5kwhのリチウムイオン電池を搭載し、ブレーキ時のエネルギー回生を行い、加速時のエンジントルクを補う。
ガソリン満タンでの最大航続距離は700マイル(約1120km)に及ぶ。
ハイブリッドエンジンは、XLからリミテッドまで全グレードで搭載可能とした。
この他にも、Fシリーズらしい多彩なエンジンラインアップを継承している。2.7L V6ターボのエコブースト、3.5L V6ターボのエコブースト、3.3L V6 のFFV、5.0L V8、そして3.0L V6ディーゼルのパワーストロークと、ハイブリッド含めて6種類のエンジンがある。
車体構造についても、さらなる強靭さを追求した。一般的にハイテン材と呼ばれる、高張力鋼板とアルミニウム合金の採用を適材適所に行い、乗用としての市街地走行、作業車としての荷台積載が多い時の走行、そしてけん引時の走行における運動性能を大きく改善した。
こうした各分野での進化は、フォードの大黒柱であるF150にとって当然だともいえる。
Fシリーズ、アメリカで最多販売車
そもそも、F150に代表されるFシリーズは農業や建築業など、作業や商用を目的として開発されてきた。
それが90年代に入ると、アメリカでは初期のSUVブームが始まり、これと同時進行でピックアップトラックを日常生活の中で乗用化する動きが一気に進んだ。
特に、V8エンジン搭載のフルサイズピックアップトラックの需要が拡大し、ボディスタイルの拡充や、高級ブレードの設定が進んだ。
フォードF150、GMシボレーC/K1500(現シルバラード)、ダッジラムが三つ巴の戦いとなり、販売促進の一環としてNASCARではピックアップトラックのレーシングシリーズも発足した。
フルサイズピックアップトラック市場での競争が激しくなっても、販売実績でFシリーズの強さは続いた。
2019年までに、ピックアップトラック市場では43年間に渡り、Fシリーズがシェアナンバーワン。
さらには、アメリカ国内販売で乗用車を含めた全モデルの中で、38年間連続で販売台数ナンバーワンを誇る。2019年のFシリーズ販売総数は、89万6526台。モデル末期でも前年比1.4%減にとどまっている。
今年は新型コロナウイルスの影響で、新型投入でも販売台数は昨年より伸びないかもしれないが、販売台数ラインキングでは39年連続トップとなる可能性が高いと思われる。