【誰がライバル?】キックス登場、コンパクトSUV市場に活気 エクストレイルからダウンサイジングも?
公開 : 2020.06.28 05:50 更新 : 2021.04.22 13:28
キックス、ヤリス・クロスと競合する
キックス日本仕様は、eパワーの一本勝負である。
今年5月開催の決算発表および中期経営計画の中で、日産幹部は改めて、日産インテリジェントモビリティこそ「技術の日産」の真骨頂であると強調している。
そして、ルノー日産三菱アライアンスの中で、中型車の電動化技術と、自動運転技術の活用については、日産がリーダー、他2メーカーがフォロワーとなる体制を確立するとしている。
そう明言した後、初めての日本導入車であるキックスが、電動化では日本での販売実績があるeパワー、高度な運転支援システムにはプロパイロット2.0を標準装備するのは、当然である。
その上で、想定ライバルを考えると、かなり間口が広いように思える。
まず、価格とボディサイズでのガチンコライバルになるのが、ヤリス・クロスだ。
1.2L eパワー vs 1.5Lハイブリッドの戦い。単に、燃費競争だけではなく、商品の性格上、走り味競争になるのではないか。つまり、「フィット」と「ヤリス」との対抗図式に近いのでは?
ヤリス・クロス登場が夏後半と予想されるため、ユーザーにとっては、もう少し待ってから、実際にキックスと乗り比べて購入を考えたいところだ。
その他のキックス対抗になるクルマは何か?
ホンダやマツダ、日産にもライバル?
トヨタでは当然、「C-HR」も対抗となる。世界戦略車キックスそのものとしてみれば、車格はC-HRが上だが、eパワー化したことにより、同格での戦いとなる。
ハイブリッド対抗では、ホンダ「ヴェゼル」があるが、モデル末期ということもあり、値引き期待の販売価格重視での選択肢となろう。
スバルについては、キックスに四駆がないことから、価格は近いが「XV」eボクサーとはすみ分けができるはずだ。
マツダの場合、販売戦略として「SUV商品群」という考え方がある。CX-5購入希望での来店者のライフスタイルについて詳しく聞くことでCX-30やCX-3の購入を進めることもある。
つまり、キックスとの対抗は単体モデルではなく、事実上のマツダSUV商品群となる。
気になるのは、エクストレイル2WDからのダウンサイジングだ。アメリカでは、北米エクストレイルである「ローグ」からキックスへの買い替え需要がある。
新型エクストレイルが日本では来年発売の可能性が高く、既存のエクストレイル2WDからキックスへという流れはかなり多いのではないだろうか。
キックスの月販目標台数については、ウィズコロナという世の中の状況を鑑み未発表という異例の対応だ。
なお、日産は日本国内で2023年までに、新規にEVを2モデル、eパワーを4モデル導入することを明らかにしている。