【無念、クロスモーション量産なし】エクストレイル別物ありは期待外れ? コンセプト発想に大きな変化
公開 : 2020.07.24 05:50 更新 : 2021.04.22 13:28
日産「Xモーション」と書いて「クロスモーション」。次期「エクストレイル」とは別物の量産版が期待されていました。実際はどうなる? 日産に聞いてみました。またコンセプトの扱いに、近年、変化が見られます。
無視できぬクロスモーションの存在
日産「Xモーション」と書いて「クロスモーション」。「エクスモーション」ではない。
一部の自動車メディアの中では、クロスモーションは次期「エクストレイル」とは別物で、エクストレイルよりさらに大きなフルサイズSUV登場の可能性を示唆してきた。
そうした期待に対して、日産からの正式コメントが出た。
残念ながら、結果はノーである。
日産の北米事業を統括する、北米日産は米時間の6月24日、「日産にとって、コンセプトモデルはリアリティ(量産車)に向けた最初の一歩に過ぎない」という題目のプレスリリースを出した。
ここでは、過去に登場した6台のコンセプトモデルが実際に量産化された流れを、それぞれのモデルで詳しく説明している。
その筆頭に挙げたのが、クロスモーションだ。
クロスモーションは、いまから約2年半前、2018年1月開催の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で世界初公開された。
発表の現場で、日産幹部は「日本固有の文化の香りや、日本人が大切にする『モノの佇まい』」を強調していた。
今回のリリースで、クロスモーションは、アメリカで今年6月15日に公開した3代目「ローグ」として量産化された、と言い切っている。
3代目ローグは、日本の4代目エクストレイルとなることは確実視されている。
クロスモーション/エクストレイルの関係
アメリカでの日産ラインナップで、ローグより大きいモデルは、8人乗り3列シートのフルサイズSUV「アルマーダ」
また、ローグより少し高級なイメージとして、日本でも以前販売されていた「ムラーノ」、さらにはオフロードイメージが強い「パスファインダー」がある。
クロスモーションについては、こうした既存モデルとは別に仕立てられることが、一部メディアやユーザーの間で期待されていた。
アメリカでは全体需要の約4割がSUVやクロスオーバーで占められており、さらにモデルが増えることはアメリカの日産ディーラーにとっては許容範囲だという見方もあった。
だが、現実的には大方の見方通り、クロスモーションはローグ(エクストレイル)量産のためのコンセプトモデルだったのだ。
改めて2車を比べてみると、まずは、ズッシリとした全体の「佇まい」が同じだ。
その上で、よくよく見ると顔も似ている。コンセプトとしてのブーメラン型ヘッドライトイメージがあることで、量産車の2段構えライトの躍動感が理解できる。
日産SUVの象徴、Vモーションを強調したフロントグリルからフロントフェンダーへの大胆な造形は、量産車にかなり高い割合で移植されている。リアビューについても同様だ。