【詳細データテスト】 フォード・クーガ モーター制御に経験不足が明らか スポーツサスの乗り心地にも不満あり
公開 : 2020.07.04 11:50
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
新型クーガのグリルは、先代より大きくなったようだが、かつてのエッジが立ったしかめっ面はそこにはない。もっとフレンドリーで曲線的なルックスは、顧客からの声を聞き入れた結果だ。
そのルックスはなかなかに魅力的だ。見かたによっては、アストンマーティンDBXに似ているといえなくもない。だいぶ遠目に見れば、ではあるが。
そのボディワークの下にあるのは、みごとな完成度でなかなかに強固なフォードのC2プラットフォーム。これにより、全長は89mm、全幅は44mm拡大。また、フォードによればクラストップの後席レッグルームを実現しているとか。全高は逆に、先代より20mm低くなっている。
とはいえ、目に見えないところではもっと多くの変化がある。たとえば、先代のエンジンはトラディッショナルな4気筒のガソリンとディーゼルのみだったが、新型ではラインナップが拡がった。
エントリーレベルは、1.5L直3ガソリンターボのエコブーストで、120psと150psの2タイプを設定。ディーゼルのエコブルーには、120psの1.5Lと190psの2.0Lがあり、このほかに150psディーゼルのマイルドハイブリッドと、最上位機種となる225psガソリンのプラグインハイブリッドが用意される。
標準搭載されるトランスミッションは6速MTで、ディーゼルでは8速ATも選べる。ガソリン車はMTのみで、唯一の例外が今回のプラグイン仕様ということになる。
そのPHVバージョンは、135psの2.5Lアトキンソンサイクル直4ガソリンに、CVTと111psの電気モーターを組み合わせる。このセットアップはトヨタのそれと同じタイプだ。14.4kWhのバッテリーパックは、キャビン半ばのフロア下に設置。クーガPHEVのEV走行可能距離は56kmほどだ。
C2プラットフォームの採用で、新型クーガは先代より90kg軽量化したとされるが、ハイブリッドシステムの重量はその削減分を超える。そのため、ラインナップ中でもっとも経済的であると同時に、1844kgというもっとも重いウェイトとなっている。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。同じプラットフォームを用いるフォーカスが、下位グレードのリアにトーションビームを用いるのに対し、クーガは全車とも独立懸架となる。