【夢を現実に】旧型ディフェンダー愛好家、サー・ジム・ラトクリフとは イネオス・グレナディア発表 その仕事に迫る
公開 : 2020.07.08 19:30 更新 : 2022.11.23 14:45
レトロだが洗練されたスタイリング
エクイエは、グレナディアが他社製品であるディフェンダーに似ていることについて、言及を避けることはなかった。
このデザインと仕様にたどり着いたのは、ベンチマークのために購入した多くの競合車を調査した結果であると主張している。
同氏は次のように述べている。
「競合として調査したのは、ジープ、ランドローバー、トヨタ・ハイラックス、トヨタ・ランドクルーザー、日産パトロール、フォード・ブロンコなどです」
「また、ダイムラー・ウニモグ、バン、軍用車、トラクターなども見ました。アフリカ仕様のクルマは特に興味深かったですね」
「こうして、非常に高い能力を持ちながら、ストレートでシンプルなクルマを作るという私たちの計画が形作られていったのです」
その結果、直線基調のシルエット、クラムシェル型のボンネット、角度の立ったフラットなフロントガラス、そして全周に雨どいを配したフラットルーフを備えることになった。
シンプルで均整のとれた、親しみのあるオフロードカーのスタイルを完成させたのである。
グリルはシンプルで、LEDヘッドライトは丸みを帯びている。大経ホイールはオーバーハングを最小限に抑えるためボディの隅に配置され、ゴム製のホイールアーチを装備する。
両サイドに3つの窓があり、フロントガラスと同様にフラットに見えるが、実際は非常に穏やかな曲線を描いている。
エクイエは、こうした細部のデザインにより、現代的な洗練された印象を演出しているという。
最もディフェンダーを彷彿とさせるのは、フロントからリアにかけてまっすぐ伸びるショルダーラインだ。
これは、ドアポケットに荷物を入れるスペースを確保しつつ、ドアの上部を「必要以上に厚くしない」ことを実現しているとのこと。
見た目のためのデザインではない
ドアには取り外しを助ける外部ヒンジが付いており、クルマのデザインにエクイエが求めていた「正直さ」を叶えている。
「デザインは複雑でも神秘的なものでもなく、わかりやすいものであることが本当に重要でした」
「ドアやボンネットがどのように取り付けられているのか、見ていただければわかると思います」
「ピラーを隠したり、必要以上にギミックを施すことはしていません。スマートではありませんが、快適に使うことができるでしょう」
また、エクイエはリアエンドのデザインについて、多くの議論があったことを認めた。
テールゲートは荷物の積み下ろしを困難にする可能性があり、スイングアウト式のスペアホイール・キャリアは「悪夢」だっただろうと語っている。
結局、採用されたのは大小2枚のドアによる観音開き方式だ。これによりラゲッジスペースへのアクセスを容易にした。
丸いテールライトは、ヘッドライトの形状と呼応するデザインとなっている。
エクイエの描くデザインの背景には、興味深いエビデンスが多く存在する。
ルーフはラックなしで荷物を積むことができ、側面には古いランドローバーのルーフライトに似た4本のタイバーが取り付けられている。
キャンプでの使用も想定して、ドアとリア・サイドウインドウの下には「ユーティリティ・レール」が設置されている。このレールには、ライトなどを取り付けることが可能だ。
内装についてはまだ明らかになっていないが、さまざまな機能が盛り込まれているようだ。
「見た目をよくするためにデザインしたわけではありません。スペースを活用しました」とエクイエは言う。
イネオスは独自でオプションや後付けのキットを用意するが、他のパーツメーカーも追加キットを作りやすいよう「オープンソース」にすることをためらわない。
ハイルマンは、「クルマの用途は、オーナーによってそれぞれ異なるでしょう。これは喜ばしいことです」と語った。