【夢を現実に】旧型ディフェンダー愛好家、サー・ジム・ラトクリフとは イネオス・グレナディア発表 その仕事に迫る
公開 : 2020.07.08 19:30 更新 : 2022.11.23 14:45
シャシーとパワートレイン
ハイルマンは、グレナディアは旧型ディフェンダー110よりも重くなると予想していると述べた。
目標重量は2400kg前後だが、現在の初期プロトタイプでは80kg重く、オフロード性能を向上させるためにはさらに重量を減らす必要があるという。
イネオスが採用しのはBMWの直6エンジンであるB57/B58シリーズで、モジュール式の3.0Lガソリンまたはディーゼルの直6ユニットが搭載される。
ZF社が提供する8速AT(および独立したローレンジ・トランスファー・ケース)を介して各車輪を駆動する。
スペックはモデルにもよるが、264psから400ps近くの出力を発揮すると思われる。
ハイルマンは、グレナディアの性能はオフロードを優先したものになるが、オンロード性能は「ジープ・ラングラーなどの運転に慣れている人には問題ない」と述べている。
ボディオンフレーム・シャシー、ツインライブアクスル、非独立コイルサスペンションなど、比較的古い技術が多く使われている。トヨタ・ハイラックスでさえも独立したフロントサスペンションを備えている現在では珍しい。
しかし、ボディはアルミニウム、高強度スチール、複合材を複雑に組み合わせて構築されている。
「アルミが強度や衝突安全の観点で、必ずしも最良の選択とは限りません」とハイルマンは言う。
ただ、ボンネット、ドア、マッドガードなどの外皮の多くはアルミニウム製だ。
スケジュールとマーケティング
テナントとハイルマンは、COVID-19の影響を多少受けたものの、プロジェクトは数週間しか遅れていないとしている。
ハイルマンは「スケジュールはタイトです」としたうえで、次のように語ってくれた。
「2021年までに生産ラインを稼働させ、同年の終わりには生産車をラインから送り出すことができるようにしたいと考えています」
「今のところは順調に進んでいます。主要なサプライヤーは、当社に協力してくれています」
「課題は、コンポーネントをまとめて適切にテストすることです」
テナントは、販売網の構築については確定していないものの、可能な限り自社で直接販売したいと考えていると述べた。
この点については近日中に発表予定である。
「自動車販売の業界は現在、かなり急速に動いています」と彼は残念そうに語った。
まずはヨーロッパと北米が主要市場となるだろうが、イネオスはオーストラリア、アフリカ、東南アジアにも強い関心を示している。
グレナディアの頑丈さに対する自信の表れだろう。
「ドライブ体験施設は最優先事項になるでしょう。街中を走り回っているだけでは、誰もこれを買いたいとは思わないでしょう」