【ファリーナ・ボディのクーペ】1台限りのロールス・ロイス・シルバー・ドーン 前編

公開 : 2020.07.12 07:20  更新 : 2020.12.08 11:04

2013年まで姿をくらましたシルバー・ドーン

1947年に創造したチシタリアは、デザインのターニングポイントとして有名だろう。1951年には、ニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクション、永久収蔵品に認められている。

前後して誕生した、ランチア・アウレリアB20も美しい。ブレッサニのシルバー・ドーンと並んで、トリノのファクトリーに展示されたクルマだった。白黒写真を見ると、当初はグルジアン・シルバーよりもっと暗い色で塗られていたようだ。

ロールス・ロイス・シルバー・ドーン・ピニンファリーナ(1951年)
ロールス・ロイス・シルバー・ドーン・ピニンファリーナ(1951年)

ファリーナのロールス・ロイス・シルバー・ドーンは、1951年にオーナーへ引き渡された。しかし、ロールス・ロイスやピニンファリーナの歴史資料に登場するくらいで、その存在が広く知られることはなかった。

2013年の発見までにわかっていたことは、2人以上のオーナーを経てきたことと、1960年代初頭にイタリアで82075 PVというナンバー登録がされた程度。過去のオーナー、アンナ・マッジョーリとアンナ・マリアモラーレは、ブレッサニとの結びつきがあった人物のようだ。

英国北部、ダンファームリンに住むスチュアート・ウィルキーがシルバー・ドーンを手に入れた時、走行距離はわずかに約5000kmほど。クラーク&カーター社によるレストアを受け、英国の道に降りたのは2014年。ナンバーは270 YUWが付けられた。

この続きは後編にて。

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