【エスロク 流札に納得?】ホンダS600 海外オークションで落札ならず 現車を見られぬオンライン開催

公開 : 2020.07.03 17:50  更新 : 2021.10.11 09:33

敗因は“並み”のコンディション

オンライン限定で開かれたオークションだったが、競売が始まっても入札は伸びなかった。

そして、締め切り時点になっても最低落札額に届かず流れてしまったのである。

オンライン・オークションは入札前に現物を確認できない。それだけに今回は主催者が詳細な写真を用意した。
オンライン・オークションは入札前に現物を確認できない。それだけに今回は主催者が詳細な写真を用意した。

そのワケを探ると、出品車両の程度に気になるところがあった。

写真を仔細に見てゆくと、使い込まれた状態であることが分かる。プアな塗装といい、メッキが痛んだバンパーといい、状態は“並み”だった。

評価書を見てゆくと、5段階中ほとんどの項目が3。ミント・コンディションが当たりまえになっているコレクターズ・オークションの世界では、しょぼいと言えた。

この状態で約417~595万円の予想落札額は、はっきり言って高かったのである。

日本のマーケットでS600は、並みのコンディションなら300~400万円で買え、過去にレストレーションが行われた個体で700~1000万円くらいで手に入る。

これまでの欧米での落札額と見比べても、このS600は中身と値段が釣り合っていないため流札になったのである。

なおRMサザビーズはこのS600を、3.5万ユーロ(約417万円)応談で引き続き販売している。

また10月に行われるオンラインの「RMサザビーズ・ジ・エルクハート・コレクション・オークション」にアメリカ仕様のS600が出品される予定なので、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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