【意識せずに乗れる電気自動車】ヴォグゾール(オペル)・コルサ-eへ試乗

公開 : 2020.07.09 10:20

充分に力強く、落ち着いた走りの質感

このバッテリーとモーターの性格が、コルサ-eを定義している。静止状態からの加速は、純EVらしくかなり力強い。でも、いくつかのライバルのように、手を焼くほど活発というわけでもない。

鋭い加速は80km/hから100km/hを過ぎた辺りで穏やかになっていく。そうはいっても、現実的な交通状況の中では、必要なだけの加速力はまだ残されている。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)

平均的なコルサ・ユーザーの場合、深くアクセルペダルを踏み込んだときの鋭さには、ハイパフォーマンス・グレードのVXRに乗っているかのような印象を受けるだろう。何かの間違いで、ミュートボタンがオンの状態で。

大きなバッテリーは、乗り心地やハンドリングに影響を及ぼしている。エンジンを積むコルサと比べると、コルサ-eは345kgほど重たい。結果として、とても落ち着いた走りの質感を得ている。重心高が10%ほど低いことも、貢献しているはずだ。

乗り心地はエンジン版コルサより良いものの、コーナーへのターンイン時などで、勢い感のある操縦性は失われている。ステアリングホイールへ伝わる、操舵時の重み付けは良好。初めは反発感があるように思えるが、運転するほどに好印象へ変わるだろう。

高速道路や市街地など複合条件で走らせた時の航続距離は、ドライブモードが「B」の状態で、夏場でも320kmくらいは得られそうだ。適切に制御された回生ブレーキシステムが稼働し、エネルギーを無駄にしない。

電気自動車と意識せずに選べる

コルサ-eの車両価格には、家庭用充電器も含まれている。また、標準で100kWの直流急速充電器にも対応していることも、メリットだ。

初めての電気自動車として、コルサ-e単体での訴求力はかなり高い。ドライビング体験は、一部のライバルほど痛烈というわけではない。外観も車内も、デザインは落ち着いている。そのかわり、親しみやすさという強みがある。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)

英国は内燃エンジンを搭載する新車の販売を、将来的に禁止する計画を立てている。それを実現するには、政府が率先してコルサ-eを大量購入する必要もあるだろう。

英国人にとって、親近感の湧く純EV。特に電気自動車を意識していない人でも選べる純EVが、新しいヴォグゾール・コルサ-eだと思う。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)のスペック

価格:3万310ポンド(400万円/英国政府補助金適用後)
全長:4060mm
全幅:1765mm
全高:1435mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:336km(WLTP)
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:1455kg
パワートレイン:同期電気モーター
バッテリー:50kWhリチウムイオン
最高出力:135ps/3674-10000rpm
最大トルク:26.4kg-m/300-3673rpm
ギアボックス:1速ダイレクトドライブ

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