【画期的だったオープン・スポーツ】ロータス・エリーゼS1 英国版クラシック・ガイド

公開 : 2020.07.18 08:50  更新 : 2020.12.08 11:04

ロータス・エリーゼS1の中古車 購入時の注意点

ハンドリングや乗り心地で精彩を欠く場合、ブッシュとダンパーの交換時期。正しくない改造の影響かもしれない。可能ならサーキット走行や事故の過去がないか、クルマの所有歴や修復歴を調べたい。

シャシーは強固で、接着力は25年では落ちない。一方でボディは経年劣化が進む。フロアが平坦で真っ直ぐで、飛び石の過度な傷がないか、確認したい。フロントのクラッシャブルゾーンは、衝突時の衝撃を一手に引き受ける。

ロータス・エリーゼS1(1996年〜2001年/英国仕様)
ロータス・エリーゼS1(1996年〜2001年/英国仕様)

ロータスによれば、治具がないということで、ボディとシャシーが組まれた新しいユニットの提供は終了している。ベアシャシーの購入はできるが、ボディの組み付け作業は困難だ。

ロータスSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)は、幅広いオプションを提供しており、標準のエリーゼにスポーツ135用などのエンジンや内装を組むことも可能。英国ではロータスの専門ショップが、独自のアップグレード・メニューを用意している。

仕様は価格に反映するが、日常的な運転ならベースグレードが一番乗りやすい。オリジナル度の高さや所有歴、修復歴が、安心できるエリーゼを選ぶポイント。ホンダ・ユニットへ載せ替える改造が人気だった時期もあるが、最近は評価を受けにくい。

タイヤは製造から10年が経過していれば、交換したい。エリーゼは全般的に走行距離が短く、硬くなった古いタイヤが付いていることも多い。

ステアリングは直進時の遊びに注意。ステアリング・ラックの交換には750ポンド(10万円)ほど必要になる。マフラーは交換されている場合がほとんど。巡航速度でうるさすぎないか、確かめたい。

不具合を起こしやすいポイント

ボディとサビ

塗装とFRPの間に水が侵入すると、塗膜が剥離してしまう。ヘッドライトは、リフレクターが腐食する。

ソフトトップの脱着は難しい。完全な防水というわけでもなく、摩耗しやすい。アフターマーケットではハードトップも入手できる。

エンジン

ロータス・エリーゼS1(1996年〜2001年/英国仕様)
ロータス・エリーゼS1(1996年〜2001年/英国仕様)

Kシリーズエンジンは、適正に整備され、チューニングを受けたり過酷に回さなければ、32万kmほどは使える。タイミングベルトの交換歴を確かめたい。標準なら8万6000kmか5年毎、チューニングを受けている場合は5万8000kmか3年毎の交換がベター。

ラジエタークーラントとエンジンオイルが混ざっていないか確認する。安定しない水温やクーラントの減り、テールパイプの変色なども、吸気マニフォールドやヘッドガスケットの不具合を示す可能性あり。冷間時のタペット音は、整備不良で起きがち。

フロントに取り付けられたラジエターは、腐食や損傷を受けやすい。アルミニウム製へアップグレードされていることも。

トランスミッション

シフトケーブルは新品でも感触がゴムっぽく、緩むことがある。変速時に引っかかりを感じる場合、リビルドの必要性を疑う。

サスペンション

フロント・トップマウントのスチール・ボビンが錆びると、アルミニウム製のシャシーに電食が起き、錆びてしまう。

シャシー

アルミ製のシャシーは溶接に適さない。不適切な修理痕がないか確かめたい。リア・サブフレームが強い衝撃を受けると、変形したりヒビが入る。亜鉛メッキされ、ダメージを与えない限り腐食しない。

インテリア

乗り降りがしにくく、シートが痛みやすい。シートの位置調整はドライバー側のみ可能。一部で標準装備だったレザー内装は人気。パワーウィンドウの修理は高い。

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