【英国で手に入るベストEVの1台】キアe-ニロ 64kWhへ試乗 航続距離450km
公開 : 2020.07.10 10:20 更新 : 2021.03.05 21:36
韓国キアが欧米などで展開する純EV、e-ニロ。手頃な価格に優れた航続距離を備え、現在の純EVクロスオーバーで最も高い総合力を備えていると、英国編集部は評価します。マイナーチェンジ版を、英国の一般道で評価しました。
英国で購入できるベストEVの1台
キア社のe-ニロは、現在英国で購入できる最も優れた純EVの1台。2019年にはAUTOCARの姉妹サイトで、カー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。純EVとしては、初めての受賞だった。
そんなe-ニロが、2020年のモデルイヤーに向けてマイナーチェンジを受け、さらに力を蓄えてきた。キアによれば主な変更点は、インテリアの装備とデザイン処理とのこと。
203psの電気モーターと、64kWhのリチウムイオン・バッテリーには変更がない。純EVとして堅実な価格もそのまま。どちらもe-ニロを際立たせている内容だ。
売れ行きも好調で、ユーザーも値段に見合った価値があると判断しているのだろう。特に、7年間か16万kmの保証が付いている点も心強い。
装備類の内容は、キアの典型と呼べる水準にまで向上。より高級感あるモデルへと改められている。
初期のニロには、ファースト・エディションと呼ばれるトリムグレードが用意され、ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッド版も存在していた。それらは今も存在する。
今回の試乗車は、英国では4+と呼ばれるグレード。三相交流11kWの充電に対応し、充電速度を高速化。一般家庭用のウォールボックスと呼ばれる充電器にも対応する。
インテリアで受けた主な変更点は、ダッシュボード中央に収まる大きなタッチモニター。10.25インチへと拡大され、インフォテインメント・システムもソフトウエアのアップデートを受けた。
車内の質感や乗り心地も向上
車内に用いられる素材も、質感を高めている。フェイシア・パネルはピアノブラック仕上げとなり、随所にブラシ加工風の艶を落としたクロームメッキ部品が散りばめられている。全体的な質感を、効果的に高めている。
以前はレーンキープ・アシストと呼ばれていた機能は、制御に手を焼いていた様子だった。マイナーチェンジ後はレーンフォロー・アシストと呼ばれ、動作は改善。自動車だけでなく、歩行者や自転車なども検知する衝突警告機能も追加されている。
バッテリーの熱を集め、車内を暖める新しいヒートポンプも採用する。ボディ外観の変更点は、LEDヘッドライトのみ。とても歓迎できる内容ではある。
2020年版のe-ニロのドライビング体験は、以前の通り素晴らしい。マイナーチェンジ前は、荒れた路面でのゴツゴツした乗り心地と、ロードノイズが弱点だった。開発が、路面状態の良いドイツを中心に行われたためだろう。
英国の道路はツギハギも多く、ノイズの立ちやすい路面も少なくない。転がり抵抗の小さいタイヤでは、手助けできない部分だ。
だがマイナーチェンジを受けたe-ニロは、どちらも若干ではあるが、改善されている。ロードノイズは変わらず聞こえてくるものの、以前ほど耳障りではなくなった。乗り心地も、ライバルのキア・ソウルEVと比べれば、明らかに良くなっている。