【ストリートレースを彩った2台】シボレー・コルベット C2とジャガーEタイプ 前編
公開 : 2020.07.19 07:20 更新 : 2022.08.08 07:38
現代的なリアサスペンションを獲得
C2で最大の変化は、ダイナミックなボディの内側にある。不思議なほどジャガーEタイプとの共通点を持つ、リア・サスペンションだ。
設計者のゾーラ・アーカス・ダントフは、リジットアクスル式をマルチリンク式へ改めた。トレーリングアームとハーフシャフトが、アッパー・ウイッシュボーンも兼ねている。
コルベットとジャガーでの一番の違いは、横置きのリーフスプリングを採用したこと。コストを落とせる理由もあるが、一番はコイルスプリングを搭載する余地が、シャシーにはなかったからだ。
エンジンはC1にも搭載されていた5.4LのV8エンジンを継続させ、収益性を確保。トランスミッションはMTか、パワーグライドと呼ばれたATが選べた。
ボディサイズは、当時のアメリカのミドルサイズサルーンと比べれば、小さい方。しかし、スティングレーの長いボンネットが、前方視界に横たわる。
コルベットC2の車内は、広々ではないものの、快適。ダッシュボードのデザインはC1を受け継ぎ、2つのカウルが付いた峰が左右対称に付く。
エンジンは、キーがなくても目覚める。ハウジングを軽く回すだけ。スターターがダルく回り、大きな唸り声を一度上げてから、ゆったり落ち着いたアイドリングに入る。
周りに流されない個性。急かさないで走りたくなる。シフトノブをドライブに入れる。思わずサングラスへ手が伸びてしまう。
この続きは後編にて。