【ストリートレースを彩った2台】シボレー・コルベット C2とジャガーEタイプ 前編

公開 : 2020.07.19 07:20  更新 : 2022.08.08 07:38

現代的なリアサスペンションを獲得

C2で最大の変化は、ダイナミックなボディの内側にある。不思議なほどジャガーEタイプとの共通点を持つ、リア・サスペンションだ。

設計者のゾーラ・アーカス・ダントフは、リジットアクスル式をマルチリンク式へ改めた。トレーリングアームとハーフシャフトが、アッパー・ウイッシュボーンも兼ねている。

シボレー・コルベット C2スティングレー(1963年〜1967年)
シボレーコルベット C2スティングレー(1963年〜1967年)

コルベットとジャガーでの一番の違いは、横置きのリーフスプリングを採用したこと。コストを落とせる理由もあるが、一番はコイルスプリングを搭載する余地が、シャシーにはなかったからだ。

エンジンはC1にも搭載されていた5.4LのV8エンジンを継続させ、収益性を確保。トランスミッションはMTか、パワーグライドと呼ばれたATが選べた。

ボディサイズは、当時のアメリカのミドルサイズサルーンと比べれば、小さい方。しかし、スティングレーの長いボンネットが、前方視界に横たわる。

コルベットC2の車内は、広々ではないものの、快適。ダッシュボードのデザインはC1を受け継ぎ、2つのカウルが付いた峰が左右対称に付く。

エンジンは、キーがなくても目覚める。ハウジングを軽く回すだけ。スターターがダルく回り、大きな唸り声を一度上げてから、ゆったり落ち着いたアイドリングに入る。

周りに流されない個性。急かさないで走りたくなる。シフトノブをドライブに入れる。思わずサングラスへ手が伸びてしまう。

この続きは後編にて。

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