【世界で最も売れるSUVの1台】ホンダCR-V(1) ハイブリッド版を長期テスト
公開 : 2020.07.12 11:50
エントリーグレードでも装備は充実
i-MMDとは、ホンダのインテリジェント・マルチモード・ドライブ・システムの略。エコノミー、ノーマル、スポーツ・モードを備える、ハイブリッド・システムだ。
エコノミー・モードでは、ステアリングホイール裏のシフトパドルを用い、減速時のエネルギー回生量を調整できる。電気モーターのみか、エンジンのみか、ハイブリッドか、選択しているモードやアクセルペダルの開度を判断して、動力源を自動で制御してくれる。
AUTOCARの立体駐車場では、電気の力のみで走行できた。一方で英国東部、ノーフォークへのテストドライブでは、エンジンと電気モーターが協働して走る場面が多かった。
従来的な自動車に思われがちな見た目のCR-Vだが、印象深いドライビング体験を提供してくれた。今後かなりの距離を走ることになるが、印象の変化も気になるところ。
トリムグレードは、英国ではSRと呼ばれるもので、装備は充実している。シートヒーターに電動ランバーサポート、キーレスエントリー、9スピーカーのサウンドシステムも付いている。
インフォテインメント・システムは7インチのタッチモニターで、バックカメラも搭載。スマートフォンのミラーリング機能と、ブラインドスポット警告機能もエントリーグレードから装備されている。
長期テスト車で選んだオプションは、プレミアム・クリスタル・レッド塗装のみ。価格は850ポンド(11万円)だ。車両価格は3万4470ポンド(455万円)から、オプション分だけ、3万5320ポンド(466万円)へ若干増えている。
初代同様の存在感を示せるか
ライバルとの価格差も気になるところ。ただし、CR-Vはユニークな立ち位置にはある。現在英国で選べる、PHEVではないハイブリッドを搭載したミドルサイズのSUVとなると、トヨタRAV4くらい。
PHEVを加えると、ボルボXC60やXC90、三菱アウトランダーPHEVといったモデルが並んでくる。でも、価格的なライバルにはならないだろう。
ハイブリッドによる優れた経済性で、従来的なSUVに勝る訴求力を問う5代目ホンダCR-V。都市部を意識した、1995年の初代と似た立ち位置にあることは変わりない。パイオニア的なモデルとして存在感を示せるのか、じっくり検証してみたい。
セカンド・オピニオン
わたしはスムーズで適度にパワーもある、ハイブリッド・システムが好きだ。CR-Vのハイブリッドはライバルのものより洗練され、SUVらしいリラックスしたドライビングにも向いている様子。
先日の運転では、ホンダのカタログ燃費を実際に超えることもできた。ただし、インフォテインメント・システムのできは良くない。時代遅れといわざるを得ないだろう。 Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
テストデータ
テスト車について
モデル名:ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
新車価格:3万4470ポンド(455万円)
テスト車の価格:3万5320ポンド(466万円)
オプション装備
プレミアム・クリスタル・レッド塗装:850ポンド(11万円)
テストの記録
燃費:14.6km/L
故障:なし
出費:なし