【楽しく上質な純EV】ポールスター2へ試乗 407psで航続距離469km 前編
公開 : 2020.07.15 10:20
お洒落なアーバン・クロスオーバー・スタイルの、ポールスター2。ボルボ傘下のブランドとして、初の量産純EVと呼べる、期待の1台です。最大のライバル、テスラ3に並ぶ実力を備えるのか、英国編集部が評価しました。
テスラ・モデル3のライバル
最新の純EV、ポールスター2が目の前にある。ふと、もとサッカー・イングランド代表監督だった、スウェーデン人のスヴェン・ゴラン・エリクソンを思い出してしまった。クルマとは関係のない始まりだけれど。
イングランドで最も古いサッカー・クラブの1つに、ノッツ・カウンティFCがある。選手としてはさほど活躍しなかった彼だが、そのマネージャーもしていた経歴がある。
もちろんポールスターは、溢れるほどの予備資金が手もとにあったり、無責任な戦略で事業を進める会社ではない。当時のノッツ・カウンティFCのように。しかし、影響力は彼並みに強そうだ。
ポールスター社のデザイン・チーフは、マクシミリアン・ミッソーニ。ポールスター社のCEO、トーマス・インゲンラスも、デザイナーとしてAUTOCARのアワードを受賞し、幹部レベルにまで昇格した実力者でもある。
ミッソーニは、自らの仕事には自信がある。テスラ・モデル3のライバルとなる、ポールスターの新モデルに対し、明確な考えを持っている。
「このクルマは、ボルボのコンセプトカーとしてデザインされたものでした」 と以前のインタビューで話していた。確かに、ボルボのコンパクト・サルーンの方向性を探った、コンセプト40.2との関係性を感じ取れるルックスだ。
「トーマスとわたし(ミッソーニ)が、コンセプト40.2を見ていたとき、ほかのボルボ・ファミリーとは異なるデザインだと気づいたのです」 ボルボの量産モデルは手掛けていないミッソーニだが、ポールスターへ発展するクルマを生み出したのだった。
従来のクルマとは異なる新鮮なデザイン
限定生産の高性能ハイブリッド・クーペ、ポールスター1も存在する。だが、この「2」は純粋なポールスターとして、初の量産EVとなる。
ポールスター2は、テスラ・モデル3と同等の価格とボディサイズを備えた、比較的コンパクトなサルーン。アウディやBMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンなどのブランドから、顧客獲得も狙っている。
ボディはやや背が高く、洗練された幾何学的なプロポーションを備える。とても新鮮味のあるデザインで、テスラやボルボ、メルセデス・ベンツといったクルマとは、明らかに異なる雰囲気を放っている。
都市的でロボット風だと、ミッソーニは表現している。グラスエリアの形状はバイザーのようにクルマを囲み、ボリューム感は直線的でボクシーだ。
カーブを描く面構成で、スリムなプロポーションのテスラに対抗するようなデザインでもあるる。ミッソーニは、テスラと真逆のデザインにすることは、意識していないと話しているが。
インテリアも、見た目同様にモダン。滑らかな面構成の中に、整然と詰め込みすぎることなく、操作系がレイアウトされている。2019年のお披露目の時に多くの話題を集めた、環境へ配慮した素材を用いた、ベジタリアン・インテリアだ。