【マツダスピード復活は?】マツダ3ターボ、北米先行導入 背景に2000年代マツダスピード・アクセラの存在
公開 : 2020.07.11 08:19
マツダスピード・アクセラの再来か?
「あのクルマ」とは、マツダスピード・アクセラ(マツダスピード3)だ。
マツダ3の前身であるアクセラ。その初代モデルで2006年にハイパフォーマンスバージョンとして追加ラインアップされた。
エンジンは2.3L直噴ターボで、最大出力は264ps、最大トルクは38.7kg-m。
当時、日系Cセグメントのハイパフォーマンスモデルといえば、もちろん、スバル「WRX STI」と三菱「ランサー・エボリューション」が2巨頭として君臨していた。
それぞれWRC(世界ラリー選手権)という過酷な実戦からフィードバックされた最新の四輪駆動システムを搭載。
これら2モデルに対してマツダは、けっして真っ向勝負を挑んだのではない。
ラリーやレースといった競技車との繋がりではなく、街乗りでユーザーが「あっと驚くような」楽しい走りを提供した。
2006年発売当時、筆者(桃田健史)は、日米での公道、サーキット、自動車メーカー各社のテストコースで、マツダスピード・アクセラ(マツダスピード3)を他車モデルと比較試乗している。
その際、感じたのは「楽しさの演出」だ。
クルマとしては、かなりのジャジャ馬。アクセルオンで前輪が路面とのトラクションが時たま抜けるほどの、いわゆるトルクステアが激しい。
さらには、加速時に車体後部が沈み込む、スクワット量が多い。
新マツダ3ターボはどんな感じなのか
スクワット量が大きいことで、ドライバーとしては、なんだか凄く豪快に加速しているような感覚を持つ。
こうしたセッティングについて、他メーカーのハイパフォーマンス系開発担当者は当時、「ユーザーに楽しんでもらうという手法として、なるほど、と思えるところもありますが、弊社での採用は難しい」とコメントしていた。
結果として、マツダスピード・アクセラは、アメリカで「もの凄く速い(速いと感じる)マツダ車がある」「マツダのターボ車は凄い」とスポーツカーファンの間で大きな話題となったのだ。
こうしたマツダの歴史を覚えている、マツダユーザーやディーラーマンが大勢いる。
だが同時に、2010年代以降にマツダ第6世代、そして新型マツダ3からマツダ第7世代へと移行し、マツダはもう「マツダスピード・アクセラ時代のマツダではない」ことも、アメリカ人の多くが知っている。
今回のターボ化したマツダ3は、走りの演出ではなく、真のハイパフォーマンスを体感できるクルマの仕上がっていることは間違いない。
果たして、日本上陸はあるのか?
また、現在はディーラーオプションの一部として扱いがある、マツダスピード。
マツダ第7世代の切り札として「次世代マツダスピード」登場に、日米を筆頭に世界のマツダファンの期待が高まる。