【パワーこそすべて】大排気量V8エンジン アメリカン・マッスルカーの歴史
公開 : 2020.07.17 19:30
フォード・フェアレーン・サンダーボルト
フォードがフェアレーン・サンダーボルトを作ったのは、純粋にホモロゲーション(認証)を得るためだった。
採用されたのは「小型車、大型エンジン」という実証済みの方式だ。
当時のフォードのミッドレンジモデルであったフェアレーンには、大型のギャラクシーから流用した7.0L V8エンジンが搭載された。
このエンジンは430psを発揮するようにチューニングされている。
さらに、ボディにはプレキシグラス、アルミ、ガラス繊維などを使用して軽量化を図っている。
公式には100台が生産数の上限とされていた。その多くは、ドラッグレーサーたちの(愛のある)手によって荒らされることになった。
AMC AMX(1968)
AMCは1968年2月、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたプレスイベントでAMXを発表した。
これには2つの目的があった。
第一に、活況を呈するマッスルカー市場への参入である。AMCジャベリンの上位モデルであり、その使命はマスタングやカマロの王座を奪い取ることだった。
第二に、AMCのデザインとエンジニアリングに対する最新のアプローチを示すものであった。経済性優先というブランドイメージを覆すべく生まれ落ちたクルマだった。
AMXはライバル車よりも少し小柄だが、パワーは劣っていなかった。最上位モデルのエンジンは6.4L V8で、320psを発揮する。
価格設定も競争力のあるもので、ベースモデルは3245ドル、現在の金額で約2万3000ドル(246万円)からとお手頃だった。
ダッジ・チャージャー(1968)
ダッジは1968年モデルとしてチャージャーのデザインを一新し、パワーの劣るコロネットとの差別化を図った。
スタイリングを変更するにあたり、デザイナーたちは素晴らしい仕事をしている。
ルーフラインを微調整し、既存のファストバックスタイルから離れ、丸みを帯びたテールライトを装備。これらの変更により、チャージャーは当時最も現代的なマッスルカーの1つとなった。
ベースとなったチャージャーの価格は3014ドル(現在では約2万1000ドル/224万円)。そこに466ドル(現在では約35万円)を上乗せすれば、高性能なチャージャーR/Tにステップアップすることができた。
チャージャーR/Tは380psの7.2L V8エンジン、3速AT、改良されたブレーキとサスペンションを搭載している。
マッスルカーの絶大な人気もあって、1968年に9万6100台を売り上げた。
大ヒットしたテレビドラマ「デュークス・オブ・ハザード(爆発!デューク)」に登場したことでも有名である。日本でも放送され、「リー将軍」という愛称で親しまれた。