【覚えているか?】ダイハツ・アプローズ 長所あるも拍手喝采とはいかなかった背景 悲運な名車

公開 : 2020.07.18 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

リコールによりネガティブイメージが

ダイハツ独自開発の大衆車として肝いりで開発されたアプローズは、使い勝手はもちろん欧州を見据えて煮詰められたサスペンションの完成度も高く、好評だった。

しかし、初期ロットの車両のオルタネーターとATミッションに不具合があったということで、登場から3か月という早いタイミングでリコールを届け出ることになった。

ダイハツ・アプローズ
ダイハツ・アプローズ

さらに同年11月にはブレーキ系統と燃料タンクの不具合も発見され再びリコールを届け出る。

この燃料タンクの不具合は、エア抜き穴の形状が不適切で給油時にガソリンが吹きこぼれる恐れがあるというものだった。

不運にもこれが原因となる火災が発生し、ガソリンスタンドのスタッフがやけどを負うという事故があり、これを一部報道機関がセンセーショナルに報道してしまったのだ。

その結果、「アプローズ=燃える欠陥車」という負のイメージが付きまとうことになり、マイナーチェンジを繰り返しながら2000年まで生産が続けられたものの、販売が上向くことは最後までなかった。

不具合発生時のダイハツの対応は非常に迅速で、リコール届け出後は一度も火災事故も発生しなかったにもかかわらず、報道がきっかけで正当な評価がなされなかった悲運の名車、それがアプローズというクルマなのである。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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