優れた燃費に大きな荷室、快適な乗り心地

ほかのブランドには、ハイブリッドのSUVで大きな牽引重量を叶えているモデルが存在する。おそらくCR-V最大のライバルとなるのが、トヨタRAV-4のハイブリッド。こちらは1650kgまで引っ張れる。

さらにレクサスRX450hは、最大で2000kgまで。ボルボXC90 T8ツインエンジンなら、2400kgまで牽引できる。

一方でセグメントを越えて、ハイブリッドモデルの多くは、牽引重量が750kg前後に留まることも確か。電気モーターは回転し始めの太いトルクで、重量物の牽引には有利そうに思える。しかし複雑な技術のためか、容量には制限がかけられているのだ。

長期テストで導入しているホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドには、牽引バーがないから、実際に牽引を試すことはできない。それでも先日、多くのキャンパーたちに混ざって、海岸へのルートをドライブした。

少し長めの週末。英国製部のデボンにある海岸まで、ストーンヘンジを超えて、A303号線沿いにCR-Vを走らせた。週末の実用性を確かめるために。

ハイブリッドのCR-Vには、沢山の長所がある。燃費は15.1km/L前後と良かったし、前後のシートは大人でも充分に広い。ボディボードにウェットスーツ、フリスビーを余裕で積める大きな荷室もある。

乗り心地も良い。助手席の同乗者は、サーフィンをテーマにしたBGMを聞きながら、快適な昼寝を楽しめるほど。

道が混んでいてもストレスフリー

個人的な不満は、筆者の体型には運転席のシートが合わないこと。4時間以上の運転は厳しい。アメリカンと呼べる大柄なシートで、筆者にはサイドサポートが足りない。

ドライブトレインは、どれだけ技術的に複雑なのか、まったく感じさせない。エンジンによる走行と、電気モーターだけの走行との切り替えは、高い速度域でもシームレス。eCVTは、リラックスしたクルージングを与えてくれる。

しかも、レーンキープ・アシストとアダプティブ・クルーズコントロールを備え、自律運転の体験にもだいぶ近い。海岸線までの道が混んでいても、ストレスフリー。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドは、間違いなく家族での週末に適している。しかし、キャンピングトレーラーは引っ張れない。ホテルは事前の予約が必要だ。

テストデータ

気に入っているトコロ

プラグ＆プレイ：USBのソケットが2つあり、どんな年代の人が乗っていても、退屈させないで済む。

気に入らないトコロ

どのボタンが正解？：英国版インフォテインメント・システムの場合、ラジオをオンにするだけでも複雑。システムエンジニア並の知識がいる、というのは大げさだけれど。

テスト車について

モデル名：ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT（英国仕様）
新車価格：3万4470ポンド（455万円）
テスト車の価格：3万5320ポンド（466万円）

テストの記録

燃費：15.2km/L
故障：なし
出費：なし

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