【ホンダ、先見の明】CR-Xデルソルとは、なんだったのか? 目論見は外れたが存在感は今振り返っても

公開 : 2020.07.22 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

とはいえ自動車業界に残した功績は大

そんな残念な結果となってしまったCR-Xデルソルではあるが、電動オープントップである「トランストップ」は現在多くの車種に採用されているクーペカブリオレの走りである。

耐候性に難のあったオープンカーのルーフをハードトップとしてしまう点や、ルーフのロックを解除したらあとはボタンひとつでオープンになる電動機構は時代を先取ったものと言えるだろう。

電動オープントップである「トランストップ」を採用したホンダCR-Xデルソル。
電動オープントップである「トランストップ」を採用したホンダCR-Xデルソル。    ホンダ

また、シート後部にあるリアウインドウも電動で開閉できるようになっており、これは同社が現在リリースしている軽オープン2シーターのS660にも採用されている。

これらの点を考えると、CR-Xデルソルは商業的には成功したとは言い難いかもしれないが、自動車業界に残した功績は予想以上に大きかったとも言えるのではないだろうか。

そもそもCR-Xの後継車種としてではなく、新規車種として販売していたら結果は変わっていたかもしれないとも考えた。

しかし、よくよく思い返してみると初代ではアウタースライドのサンルーフやルーフベンチレーション、2代目でも引き続き採用されたアウタースライドサンルーフにグラストップと、歴代CR-Xもルーフに並々ならぬこだわりを見せていたのだ。

そう考えるとCR-Xデルソルは突然変異ではなく、正常進化を果たした最終形態だったのかもしれない……。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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