【コロナ禍でも黒字達成】テスラ、初の4四半期連続の黒字化 マスクCEO「手頃な車両価格にしたい」
公開 : 2020.07.24 12:44
EV市場をけん引する米テスラは、4四半期連続で初の黒字化を達成したと発表。販売価格の値下げも目指すとしています。時価総額でトヨタを超えて世界一となったばかりのテスラですが、さらなる追い風が吹いています。
テスラ初の連続黒字化達成
テスラのイーロン・マスクCEOは、同社が初めて4四半期連続の利益を計上したことを受け、ラインナップをより手頃な価格にすることで成長を後押しすることを優先すると述べた。
テスラは、4月から6月に総売上高60億4000万ドル(6473億円)を計上し、1億400万ドル(111億円)の純利益を達成した。
売上は前年比4.9%減となったものの、新型コロナウイルスによる市場の不確実性が続いていることを考えると、大方の予想を上回る数字となった。
4四半期連続で利益を計上することは、テスラにとって大きな節目であり、同社の株式がS&P500指数に組み入れられる道を開くことにもなり、株価がさらに高まる可能性が高い。
テスラの株価は過去1年間で500%以上上昇している。
イーロン・マスクは、決算に関する電話会見で、テスラ車の価格に懸念を残していると述べた。彼は次のように述べている。
「今私を最も悩ませているのは、私たちのクルマが十分に手頃な価格ではないことであり、それを修正する必要があるということです」
「我々は、少しでも利益を上げ、成長を最大化し、クルマを可能な限り手頃な価格にしたいと考えています」
現在、最も安価なモデル3の日本での販売価格は511万円からとなっている。
イーロン・マスクは、バッテリーの価格が高いことがEVを比較的高価にしている重要な理由であると指摘し、鉱業業界にニッケルの生産量を増やすよう促した。
さらに、「テスラは、環境に配慮した方法でニッケルを効率的に採掘すれば、長期間にわたって巨大な契約を結ぶことになるでしょう」と付け加えた。
テスラは過去3か月間に8万2272台を生産し、9万891台を納車した。
前年同期比では5%の減少にとどまったものの、新型コロナウイルス対策のロックダウンによりカリフォルニア州フリーモントにある生産工場が閉鎖されたため、生産台数は2020年の1~3月と比較して59%減少している。
納車した9万891台のうち、8万277台がモデル3またはモデルYで、1万614台がモデルSまたはモデルXであった。
同社は、コロナウイルスの影響を懸念しながらも、今年も50万台の納車を目指していると述べている。
テキサス州に新工場を建設へ
テスラはまた、テキサス州に新工場を建設することを発表しており、完成すればサイバートラックとモデルYの第2生産ラインとして使用されることになる。
工場はテキサス州の州都オースティン近郊のトラビス郡に建設され、5000人以上の労働者を雇用する予定だ。
イーロン・マスクによると、建設作業はすでに進行中だという。いつオープンするかは不明だが、テスラは以前、サイバートラックの発売は2021年後半になると述べている。
テキサス工場は、フリーモントのモデル3/Y工場に続く、米国で2番目の自動車専用工場となる。また、同社はネバダ州の工場でも製造を行っている。
最近では中国の上海にギガファクトリーを開設したほか、ドイツのベルリン近郊で初の欧州生産施設の建設に取り組んでいる。
サイバートラックの工場をテキサス州に置くことは、テスラにとって複数のメリットがある。
テキサス州はピックアップトラックの米国最大の市場であり、一般的な法人所得税もない。また、トラヴィス郡はテスラに約6000万ドル(64億円)の税制優遇措置を提供しているのだ。
画像 テスラ・モデル3、モデルY vs フォード・マスタング・マッハE、BMW i4【テスラの売れ筋モデルをライバルと比較】 全62枚