【感染リスク軽減に】ジャガー・ランドローバー、非接触型タッチスクリーンを開発 新型コロナウイルスにも
公開 : 2020.07.24 11:35
英ジャガー・ランドローバーはケンブリッジ大学工学部と共同開発した「予測タッチ」技術を発表。画面に触らずに操作することで病気の感染を低減するほか、ドライバーの注意力散漫を防いで安全性向上に貢献します。
ドライバーの意図を予測
ジャガー・ランドローバー(JLR)は、新型コロナウイルスを含む病原体が体内に侵入するのを抑制するために、新しい非接触型タッチスクリーンを開発した。
ケンブリッジ大学のエンジニアと共同で開発された「予測タッチ」技術は、すでに特許を取得している。
センサーを使ってユーザーの意図する操作を予測することで、実際にボタンを触る必要なくタッチスクリーンを操作できるというもの。
接触機会を減らすことで、細菌やウイルスの感染リスク回避につながると考えてのことだ。
JLRによると、この技術は車内の衛生面と安全性を向上させるためのデスティネーション・ゼロ・プロジェクトの一環であり、タッチスクリーン使用時間を最大50%削減し、ドライバーが道路から目をそらす時間を減らすことで、事故のリスクを軽減するという。
「予測タッチ」は、画像ベースまたは高周波ベースのセンサーを使ってユーザーの動きを追跡する。
さらに、インターフェースのデザインやアイ・トラッキングなどの情報を使って、ユーザーがどのボタンを押そうとしているかを推測する。
新型ゴルフをはじめとするフォルクスワーゲン・グループの現行モデルに見られるようなジェスチャーベースのシステムとは異なり、予測タッチでは、単純なスワイプ以上の操作が可能だ。
感染と事故のリスクを軽減
JLRの技術専門家であるリー・スクリプチャックは、次のように述べている。
「予測タッチ技術は、ディスプレイに触れる必要がないため、表面に細菌やウイルスを拡散させるリスクを減らすことができます」
「また、この技術はドライバーの認知負荷を軽減し、正面の道路に集中している時間を増やすことで、より安全性を高めるチャンスを提供してくれます」
「これは、私たちのデスティネーション・ゼロの重要な部分です」
ケンブリッジ大学工学部のサイモン・ゴッドシル教授は次のように付け加えている。
「タッチスクリーンやその他のインタラクティブなディスプレイは、ほとんどの人が1日に何度も使うものですが、クルマの運転中やランニング中に携帯電話の音楽を変更するなど、動いているときには使いづらいことがあります」
「また、特定の病原体が表面を介して感染する可能性があることもわかっており、この技術はそのような感染のリスクを軽減するのに役立つ可能性があります」
JLRによると、この技術は既存のタッチスクリーンに簡単に組み込むことができるが、両ブランドのラインナップにも追加されるかどうかは今のところ不明である。