【コンパクトカーの新ドライビング体験】ホンダeアドバンス 英国試乗
公開 : 2020.07.31 10:20 更新 : 2020.08.18 14:06
車内はラウンジのように素敵な雰囲気
電気モーターは1基で、リアタイヤ間にマウントされている。ベースモデルは135psだが、試乗車のアドバンスは153psを発揮する。そのかわり車重も30kg増える。どちらも最大トルクは32.0kg-mと力強い。
0-100km/h加速は、アドバンスでは追加の馬力を活かし、ベースモデルを0.7秒縮める9.0秒だ。
ホンダeの小さなボディは、クルマとしての目的を示している。サイズは現行のミニと同等だが、全高は100mmほど高いから、車内空間は高さ方向でゆとりがある。
ドライビングポジションはやや姿勢を正す感じだが、前方視界は良好。リアシートへの乗り降りもしやすい。ホイールベースは2530mmあり、このクラスとしては最長の部類に入る。
リアシートの広さはほどほど。荷室は、モーターが搭載される都合でフロアが高く、広いとはいえない。
インテリアは、リビングのソファーのようなファブリックと、マット仕上げのウッドトリムで素敵な雰囲気だ。写真で見るよりずっと良い。まるで、どこかのラウンジのよう。
フラットな木目のダッシュボードの上には、合計5面のモニターがずらりと並ぶ。左右両端は、後方確認用。eは、鏡ではなくカメラの映像で、左右後方の映像をドライバーに見せてくれる。
ドライバー正面のモニターはメーター用で、運転に関わる情報を表示してくれる。残りのワイドなモニターはタッチ式で、12.0インチ2枚で構成。様々な表示に切り替えられるが、基本的にはナビやエアコン、インフォテインメント・システム用だ。
コンパクトカーと純EVの良いとこ取り
この2面のタッチモニターは、表示コンテンツの切り替えが可能。助手席の人が音楽を選んだり、ナビのルート設定をして、表示内容を左右で入れ替えることもできる。
音声認識システムも搭載し、「OK、ホンダ」と話しかければ、会話形式でのやり取りが可能。すべてに慣れるには1週間くらいは必要かもしれない。しかし、ホンダeの魅力となっていることも確かだと思う。
路上に走り出てみると、コンパクトカーと電気自動車の良いところが組み合わさり、ホンダeは本当に運転が楽しい。広いトレッドと、床下にバッテリーが収まる低い重心高のおかげで、安定性とボディロールの制御は、印象的なほどに優れている。
着座位置が高く、背もたれも起き気味だから、スポーティと呼べるほどではない。また人によってはコーナリング時に、シートのサイドサポートが足りないと感じることもあるだろう。
それでも、小さなステアリングホイールと小回りの良さ、比較的幅の狭いボディ、純EVらしい低速域での滑らかな速度制御の相乗効果は大きい。ホンダeを、素晴らしいコンパクトカーにまとめている。
都市部の混んだ道をキビキビと走り、狭い駐車スペースにスルリと収まる。アドバンスには、運転支援システムなどとあわせて、自動駐車システムも搭載。ほかのコンパクトカーでは見られないほどの、充実装備だといえる。