アルファ・ロメオ・ジュリエッタ2.0 JTDM TCT
公開 : 2012.02.01 22:34 更新 : 2017.05.29 18:25
■どんなクルマ?
このスタイリッシュなアルファ・ロメオ・ジュリエッタは、初めてデュアルクラッチを装備したモデルだ。アルファがTCTと呼ぶそのデュアルクラッチは、昨年秋にミトに採用されたが、より精巧なシフトタイミングへの修正と、スタートストップ・システム備えて、ジュリエッタに採り入れられた。1組のドライクラッチを持つ6速ギアボックスは、スタートストップ・システムによって燃費とCo2排出量に寄与するばかりでなく、ギアボックス単体の重さを減らすことにも成功しているのだ。ギアボックス重量は81kgで、その重さは通常のオートマチックよりも10kgも少ない。また、168bhpの2.0リッター・ターボ・ディーゼル・モデルにおいては、26.7km/lの燃費と119g/kmのCo2排出量をマークする。6速マニュアル・モデルが25.6km/l、124g/kmであるから、その差額は小さいかもしれないが、それでも素晴らしい向上である。
■どんな感じ?
すべてが悪くない。われわれは、イタリアにあるアルファ・ロメオのバロッコ・テストコースでギアボックスのテストをする機会が与えられたが、コーナーを攻めても、ギアチェンジは実に滑らかでスムーズだった。
すべてのジュリエッタのように、TCTを装備されたディーゼル・モデルも選択可能なDNAドライビング・モード・システムが採用されている。N(ノーマル)モードであれば、112km/hで2000prmという値を示していた。それはツインクラッチのこのジュリエッタが、高速クルーザーとしても充分な素質を持っていることを示している。
またD(ダイナミック)モードでは、エンジンのオーバーブースト機能が効き、トルクが35.6kg-m(通常は32.6kg-m)まで上がる。0-100km/h加速は、マニュアルモデルよりも0.1秒速い7.9秒をマークする。
しかし、落とし穴はスタートストップ・システムにある。アルファ・ロメオはミトのものより改善されたとはいっているが、実際にはエンジンをカットオフするのが遅く、スタートするのも遅かったのだ。これは悩ましい問題である。結局、われわれはスータトストップ・システムのスイッチをオフにすることとした。
同時に168bhpを発揮する1.4リッターのマルチエアー・ガソリン・エンジンも試乗した。そのフィーリングはほぼ同じだが、ディーゼル・モデルのほうが0-100km/h加速を比べても速いし、フロント・エンドが重たく感じるのも気にかかった。ちなみに、ガソリン・モデルの燃費とCo2排出量は、23.1km/lと121g/kmである。
■「買い」か?
スタートストップ・システムをオフにすることを念頭に入れれば、ジュリエッタは推薦できる1台だ。しなやかな乗り心地とハンドリング、素晴らしいルックス、そしてよくできた内装。後は、あなたがジュリエッタにいくら払えるかが決めてだろう。TCTは1350ポンド(16.2万円)、マニュアル・モデルよりも高く、オプションのパドルシフトを選ぶと更に260ポンド(3.1万円)のコストが掛かるのだ。
(マーク・ティショー)
アルファ・ロメオ・ジュリエッタ2.0 JTDM TCT ルッソ
価格 | 23,350ポンド(2,802,000円) |
最高速度 | 216km/h |
0-100km/h加速 | 7.9秒 |
燃費 | 26.7km/l |
Co2排出量 | 119g/km |
乾燥重量 | 1340kg |
エンジン | 直列4気筒1956ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 168bhp/4000rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1500rpm(オーバーブースト時35.6kg-m/1750rpm) |
ギアボックス | 6速デュアルクラッチ・オート |