【スペック/価格は?】マクラーレン620R 日本デビュー 新型スポーツ・シリーズ、公道を走るGT4マシンに

公開 : 2020.07.31 11:20  更新 : 2020.07.31 11:25

マクラーレン620R 内装

サーキット走行を目的に生まれた620Rは、必要でない装備は可能な限り省略されている。

足もとにフロアカーペットはなく、助手席の前にはグローブボックスもない。エアコン、カーナビゲーション、オーディオといった快適装備も標準では設定されていない。ただし、これらは追加費用なしのオプションとして選択することはできる。

620Rの車内には、超軽量のカーボンファイバー製レーシングシート+6点式シートベルトが標準装備。
620Rの車内には、超軽量のカーボンファイバー製レーシングシート+6点式シートベルトが標準装備。

その代わり、超軽量のカーボンファイバー製レーシングシートや、6点式のシートベルトは運転席・助手席ともに標準装備。

ステアリングの12時の位置には、センターを示す赤いマークが入れられ、シートベルト着用時にドアを閉めるためのドアプル・ストラップも備わる。

また、長いシフトパドルやステアリングホイールのスポーク、センターコンソールにはカーボンファイバー製のパーツが用いられ、レーシングカーのキャビンにいるという感覚を高めてくれる。

さらに、サーキット走行でのデータを記録するために、マクラーレン・トラック・テレメトリー(MTT)システムも標準装備されており、センターダッシュ上の7インチ・タッチスクリーンに表示することができる。

マクラーレン620R シャシー

620Rにも、570S GT4と同じシングルピースのカーボンファイバー製「モノセルII」シャシーが採用され、これが強度と軽さのベースとなっている。乾燥重量の目標値は1282kgだ。

サスペンション形式は前後ともダブルウイッシュボーンだが、コイルオーバー式モータースポーツ用ダンパーを採用。

マクラーレン620R
マクラーレン620R

このダンパーは手動で2通りの調整が可能で、コーナーあたり32段階の減衰力が選択でき、ドライバーが自分の運転スタイルやコースコンディションに合わせてカスタマイズできる。しかも通常のスポーツシリーズのモデルより6kgの重量削減を実現にしている。

ウイッシュボーンやアップライトは軽量のアルミニウム製。アンチロールバーとスプリングは通常のスポーツシリーズよりハードなものを採用し、ラバートップのマウントはステンレス製に換えられている。これにより、ステアリングのコントロールとフィードバックは顕著に向上。

ブレーキも、サーキット指向の設定ならカーボンセラミック製ディスクやアルミニウム製キャリバーが装着され、ハードなサーキット走行にも耐えられる。タイヤは、ピレリ Pゼロ・トロフェオRというセミスリックが標準装備となる。

マクラーレン620R パワートレイン

ミドシップされるパワーユニットは、570S GT4のものと同じ3.8LのV8 DOHCツインターボのM838TE型。

だが、レースのレギュレーションによる制約がなくなっため、エンジンのECUとターボチャージャーのマネージメントを再調整することにより、最高出力は620ps/7000rpm(570S GT4は570ps/7400rpm)と、スポーツシリーズでは最強の数値となった。

マクラーレン620Rのリアウイング
マクラーレン620Rのリアウイング

最大トルクも63.2kg-m/3500rpm(同61.2kg-m/5000ー6500rpm)を発生している。

このハイパワーにより、0-100km/h加速は2.9秒、0-200km/h加速は8.1秒を達成。最高速度は322km/hに達する。

より硬度に優れたパワートレインマウントも採用し、加速中にドライブトレインにかかる力が軽減されるため、高負荷時の慣性効果が最小化される。

組み合わされる7速シームレスシフト・ギアボックス(SSG=DCT)が変速時間を超高速化し、さらにトラックモードではマクラーレンの慣性プッシュ技術によってフライホイールの運動エネルギーがさらに上がるため、シフトアップの瞬間にトルクが爆発的に高まる。

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