ラディカル RXC
公開 : 2013.10.17 21:00 更新 : 2017.05.29 19:17
■どんなクルマ?
ル・マン・レーサーのロードゴーイング・バージョンとも言えるモデルが、このラディカルRXCだ。従って、一般の路上でその姿を見かけると、人々は驚き、足を止める。
ル・マン・プロトタイプのようなボディは、完全なGT3スペックで、可変タイプの大きなリア・ウイングを持つ。エンジンは、2座のバケットシートの後方にマウントされるスタンダードで350bhp、ハイチューン・バージョンで380bhpを発揮する3.7ℓV6だ。トランスミッションは、パドル・シフトを備えた7速のシーケンシャルが組み合わせられる。ボディ・ウエイトは900kgしかない。
パフォーマンスは、最高速度が282km/h、0-96km/h加速は僅かに2.8秒。0-160km/h加速のタイムは公表されていないが、おそらく7秒未満だろう。おそらく、その加速は現在生産されているスポーツカーでも最速の部類であることは間違いない。
また、そのプロトタイプ・スタイルのボディは、強大なダウンフォースを生み出す。ラディカルによれば、トップスピードの282km/hでは、そのボディ重量と同じ900kgという数値になるという。
■どんな感じ?
80km/h未満であれば、そのダウンフォースを感じることはない。気がつくのは、乗り心地が思ったほどひどくないことと、ステアリングが意外にサクサクとしているということだ。ラディカルは、4輪ダブル・ウィッシュボーンというサスペンション・レイアウトだが、意外にも乗り心地を重視したセッティングをしているのだ。本当に、このことは驚きだ。
しかし、96km/hを超えると、RXCは更に安定度を増す。そしてステアリングのタッチも重々しくなる。トラクション・コントロールとABSは装備されていない。しかし、グリップが突如としてなくなりブレークするようなことはなく、徐々にリア・タイヤがスライドしていくこととなる。そのハンドリングは、同じ価格帯の同じクラスのスポーツカーと比較しても非常に扱い易い。ラディカルのシャシー・エンジニアは本当に良い仕事をしているといえるだろう。
エンジンはジネッタG60に搭載されているものと同じフォード・ユニットだ。しかし、ジネッタG60に搭載されているものよりもより強力なフィーリングがあった。
問題が感じられたのは、そのシーケンサシャル・シフトだ。シフトアップの際の滑らかさが不足し、シフトダウンの際のブリッピングも足りないようだ。もし素早いシフトワークを望むのであれば、現時点ではクラッチを使ったほうが良い。しかし、ラディカルはこの問題に築いており、ソフトウェアの微調整を続けているという。
■「買い」か?
やはりその驚きはダウンフォースの高さで、その高速での安定性は今年ドライブしたモデルの中でもトップクラスにあった。価格は£100,000(1,570万円)以下ではあるが、まだまだ高価なモデルである。しかし、サーキット走行を愉しむのであれば、センセーショナルに最高の1台である。ラディカルがバック・オーダーを抱えているのも充分に理解できるのだ。
(スティーブ・サトクリフ)
ラディカル RXC
価格 | £97,000(1,526万円) |
最高速度 | 282km/h |
0-96km/h加速 | 2.8秒 |
燃費 | 8.9-14.2km/ℓ |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 900kg |
エンジン | V型6気筒3700cc |
最高出力 | 380bhp/6750rpm |
最大トルク | 44.2kg-m/4250rpm |
ギアボックス | 7速シーケンシャル |