【英国での定期点検 その後】トヨタ・ランドクルーザー(7) 長期テスト

公開 : 2020.08.02 11:50  更新 : 2021.01.28 18:17

実用重視の四輪駆動を日常の足として利用すると、どんな体験が得られるのでしょう。本格SUVだからこその、嬉しいサプライズもあるはずです。日本未導入の3ドア版ですが、ランクル・プラドを英国編集部が長期テストで検証します。

積算3万7739km 高速道路での緩やかな揺れ

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
同僚が数日、長期テストランドクルーザー・プラドを利用した。彼へ意見を聞いてみると、「牛が草を噛む時、ゆっくりと顎を丸く動かしますよね。ランドクルーザーで高速道路を走ると、そんな印象を受けました」と話していた。

筆者もそう思う。乗り心地は少し荒い。しかし、木の実を噛むリスの下顎よりは穏やかだ。多くのクルマの乗り心地は、その間あたりではないだろうか。

トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)
トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)

積算4万2969km パティキュレート・フィルター

通常、長期テストで乗るクルマの機能は、すべて試すようにしている。しかし、長期テストのランドクルーザー・プラドには、試せないと思われる機能が1つある。

このランドクルーザー・プラドが積むのは、2.8Lの4気筒ディーゼルエンジンで、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)が装備されている。排気ガスに含まれるススはDPFに付着し、充分に高温になった時に燃焼される。

トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)
トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)

燃焼しているかどうかは、普通に乗っている限りわからない。一般的な運転条件であれば、自動的に行われる。

一方で、低速で長時間走行したり、アイドリングや短距離走行を繰り返すような乗り方だと、DPFの温度が上がらずに燃焼を完了できない。ススはDPFに溜まり続け、最終的には詰まってしまう。

フィルターが詰まると、警告灯が点灯するはず。無視しない方が良い。

強制的な燃焼は今後も試せない

多くの場合は、フィルターが詰まったらディラーで処理してもらうように促している。しかし、ランドクルーザー・プラドは違う。トヨタはドライバーを信頼しているらしく、英国仕様車には対処方法を記したステッカーが貼ってある。

クルマを駐車し、エンジンがアイドリング状態の時に、燃焼ボタンを押す。すると点火後に軽油がシリンダー内へ追加注入され、エグゾースト内で燃焼させる機能が働く。エグゾーストの温度を強制的に上げて、ススの燃焼を可能とする仕組みだ。

トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)
トヨタ・ランドクルーザー・プラド・ユーティリティ 3ドア(英国仕様)

その時は、クルマの後ろに立たない方が良いだろう。筆者は今まで試したことがないけれど。

トヨタは、64km/hより速い速度で10分間以上の運転をすれば、燃焼サイクルが行われるとしている。筆者は、条件以下の運転をしない日はない。強制的な燃焼機能は、今後も試せないだろう。

ランドクルーザー・プラドは2回目の定期点検を終え、4万2969kmに達した。次の定期点検まで、5300kmくらいしかない。

前回のレポートでご報告した定期点検だが、わたしの対応が優しすぎたのでは、という反応をいただいた。自分で事前にアドブルー液の補充を済ませていたのに、10Lぶんの請求が含まれていた件だ。

そのことを指摘すると、ディーラーの担当者はアドブルー液の10Lボトルを渡してくれた。金額が引かれることはなく、請求書には10Lのアドブルー液の内容も含まれたままだった。

理由は、トヨタが固定価格によるサービスを、英国全土で提供しているため。補充のあるなしに関わらず、定期点検の金額は一定になっている。

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