【意外!? 地味に強気】マツダ9年ぶり通期赤字から反転攻勢 eスカイアクティブG導入/スカイアクティブX強化 どうなる次期FRマツダ6
公開 : 2020.08.02 05:50
中国順調回復、さらに意外な国でも
次に中国。前期比23%増と市場は一気に回復すると見る。
カギとなるモデルは、2019年に商品改良した中国専用SUV「CX-4」。モデル名でもわかるように、「CX-5」と「CX-3」の中間に位置する。「マツダ6」とプラットフォームを共有している。
デザイン担当者が同じということもあり、外観に往年の「CX-7」の雰囲気が漂う。
さらに、5月から「CX-30」の中国発売が始まった。中国では2000年代の高度成長期以降、生涯で2台目の新車としてユーザーのSUVシフトが進んでいるが、「CX-30」はアメリカンライフへの憧れが強い中間所得層の心に刺さりそうだ。
その他、日本ではあまり知られていないが、オーストラリアでマツダの人気が高い。
2021年3月期・第1四半期で同国内シェアは0.8ポイント減と8.7%となるが、それでもまだ他の仕向けと比べてシェアは圧倒的に高い。
販売台数でも、タイやベトナムなどアセアン全体よりオーストラリアの方が多いのだ。
売れる背景は、販売店によるキメ細やかなカスタマーサービスにある。「オーストラリアでの成功から日本市場へフィードバックされる事案もある」(マツダ関係者)という。
では、日本市場はこれからどうなるのか?
新規導入モデルの年内発売も確定した……。
驚いた「eスカイアクティブG」の存在
今回の決算発表の同日、マツダは「MX-30」の今秋導入を発表した。
驚いたのは、「eスカイアクティブG」の採用だ。
MX-30は、第46回東京モーターショー(2020年10月24日~11月4日)で世界初公開された。「RX-8」以来となる観音開きドアが特長のコンパクトSUVだ。
発表時点ではEV(電気自動車)専用車かと思われたが、実は、直噴ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G 2.0」にマツダ独自のマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を融合させたパワートレインが存在したのだ。
EVについては、eスカイアクティブG導入後、今年中にリース販売する予定だ。
マツダのエンジン開発に関わる幹部らは日頃から「欧州CO2規制など、世界各地での厳しい環境規制と社会需要性を考慮し、仕向け別にパワートレインを最適化する」と説明しており、今回のMX-30日本仕様の登場もうなづける。
この先、登場が期待されるのが次期「マツダ6」を皮切りに始まる、直列6気筒エンジン搭載のFR(後輪駆動車)のラインナップだ。
ただし、今回発表された中期経営計画の見直しでは、「需要回復や販売に合わせた段階的な新商品/派生車の導入」や、中期経営計画の達成時期を「1年延期」という文言がある。
これらが2021年以降登場の新車にどのような影響を及ぼすのか、注視していきたい。