【新設メルセデス・ベンツTクラス】日本ではどう受け入れられる? またカングーの兄弟車になるか
公開 : 2020.08.04 05:50 更新 : 2021.05.12 21:08
メルセデス・ベンツは2020年7月28日、乗用小型バンに特化したTクラスを新設すると発表。ファミリーでの使用を強調します。2年先に量産するモデルを発表するワケ。日本での受け入れられ方を考えます。
ニューレイアウト&ニューデザイン
メルセデス・ベンツは2020年7月28日、乗用小型バンに特化したTクラスを新設すると発表した。
最も強調しているのは、ファミリーユースだ。日常生活からレジャーまでをアクティブにこなすファミリー層で、メルセデス・ベンツの小型ミニバンに対する期待が高いと見ている。
メルセデス・ベンツバン部門のトップは、ニューレイアウトとニューデザインという言葉を使い、Tクラスがファッショナブルな乗用バンであると説明する。
同バン部門としては、商用車が主体のビジネスモデルだが、新たなる経営戦略として乗用バンのTクラスを企画した。
今回の発表では、ティザーとしての画像が公開されている。ボディサイズのイメージとしては、全長はBクラス級に感じる。
ウエストラインは低めで、フロントガラス、サイドウインドウ、リアハッチガラスの面積は大きい。
また、リリース文書には、左右ドアがスライド式となることが明記されている。インテリアの造りは、利便性を重視したニューレイアウトだという。
発売時期については、2022年半ばとしている。いま(2020年7月末)から2年近い先の導入にもかかわらず、なぜいま発表したのか?
そこに、他メーカーとの関係が見て取れる……。
「シタン」知ってる? 後継なのか?
となれば、「シタン」後継なのか、と思われる方がいるかもしれない。
日本では正規販売されておらず、また並行輸入車もほとんど見かけないシタンは、ルノー・カングーの兄弟車だ。
主に欧州で販売されており、日本人には馴染みが薄いモデルである。
今回のTクラス発表では、シタンについても触れている。
それによると、ダイムラー(メルセデス・ベンツ)は2012年から、ルノー日産がOEM(相手先ブランド)供給するシタンを販売してきた。
また、2019年8月には、メルセデス・ベンツとして将来的に、都市型の配送バンのEV(電気自動車)を市場導入することを明らかにしている。
その上で、Tクラスと次期シタンがルノー日産三菱アライアンスとの共同開発となるとした。
ルノー日産三菱アライアンス側から見れば、今年5月にアライアンス全体としての将来事業計画を発表し、各社が担う開発領域と製造販売領域について明確化している。
その中で、ダイムラーなど他社との連携について、具体的な説明はなかったが、シタンについては継続案件ということであろう。
時期的には、カングーのフルモデルチェンジが2022年頃と言われており、そのタイミングでシタンとTクラスが登場するというシナリオに見える。