【新設メルセデス・ベンツTクラス】日本ではどう受け入れられる? またカングーの兄弟車になるか
公開 : 2020.08.04 05:50 更新 : 2021.05.12 21:08
Vクラス同様の考え方での展開か?
シタンがEV化されることが確実な状況では、当然Tクラスでもメルセデス・ベンツがいうEQ化され、EQTモデルとして登場する可能性はあり得るのではないだろうか。
また、メルセデス・ベンツ側からTモデルとシタンを見ると、こうした商品企画の基盤には、2019年11月に行われたメルセデス・ベンツの大幅な組織再編がある。
ダイムラーAGを持ち株会社とし、その傘下にメルセデス・ベンツAG、ダイムラートラックAG、さらにダイムラーモビリティAGの3社構成とした。
その中で、メルセデス・ベンツAGは、乗用車と商用車の両部門を担うことになり、以前よりも両部門の関係性が深まっている。
現状で、メルセデス・ベンツのバンは、中大型車が「スプリンター」。荷室優先のカーゴバン、乗車席とカーゴを融合させたクルーバン、パッセンジャーバン、さらに多様な展開が行えるベース車としてのキャブシャシーがある。
中型車では、「メトリス」があり、業務用のカーゴバンやパッセンジャーバンに加えて、Vクラス相当のパッセンジャーバンをラインナップする。
さらに、小型車ではルノー日産三菱からシタンの供給を受けてきたわけだが、この領域でTクラスを導入することになる。
フランス商用車ブーム、Tクラスに派生?
では、日本市場でTクラスはどのように捉えされるだろうか?
これについては、様々な見方ができると思う。
背景にあるのは、近年のフランス商用車人気だ。
カングーは個人事業主から個人の乗用まで着実な需要があるが、乗用でのカングー愛好家は、カングーが優れた商用車であることが購入動機の主な要因になっている。
シトロエン・ベルランゴについては、商用車という側面よりも、日本車にはないフランス車ミニバンとして魅力が重視されて、これまでフランス車と縁のなかった層でのベルランゴの認知度が上がっている。
その上で、Tクラスが次期シタンの兄弟車だとすると、日本のユーザーは両モデルと次期カングーをどのように比較し、認識するのだろうか?
欧州市場では商用車をバンと称しているが、欧州に日本のようなミニバン文化は存在しない。その中で、独自の成長を遂げたフランス商用バンの乗用化。
そこに加わる、メルセデス・ベンツの商用小型バンと、それをベースとする乗用モデルを、日本人はどう捉えるのか?
そもそも、Tクラスと次期シタンは日本市場に正規導入されるのだろうか?