【英国オフローダーの象徴】ランドローバー・ディフェンダー 英国版クラシック・ガイド
公開 : 2020.08.15 07:20 更新 : 2022.08.08 07:37
英国製オフローダーのアイコン的な存在といえる、先代のランドローバー・ディフェンダー。新型が登場しましたが、強い所有欲を掻き立てる存在であることに変わりありません。英国編集部が、その付き合い方をご紹介します。
もくじ
ー1958年以来、重ねられてきた改良
ー様々なバリエーションが存在する
ーディフェンダーの中古車 購入時の注意点
ー不具合を起こしやすいポイント
ー英国で掘り出し物を発見
ーオーナーの意見を聞いてみる
ーまとめ
ーランドローバー90/110/ディフェンダー(1983年〜2016年/英国仕様)のスペック
1958年以来、重ねられてきた改良
先代のランドローバー、後のディフェンダーは1948年の登場以来、ゆっくり着実に改良が重ねられてきた。現在はランドローバーといえば社名だが、シリーズIの発売当時は、車名だった。
2.3Lエンジンが導入されたのは1958年で、ディーゼル版の登場は1961年。見た目的には、1971年に登場したシリーズIII以降、変化は小さい。
ランドローバーが大きな変化を見せたのは、1979年。レンジローバーに積まれていたV8エンジンをデチューンし、LT95トランスミッションが組まれて搭載された。当初のV8エンジン版は、すべてが109インチ(2768mm)のシャシーで、ほとんどが輸出されている。
1978年にブリティッシュ・レイランド傘下の独立ブランドとして、ランドローバー社が誕生。市場に並み居るライバルと、レジェンドが対峙することとなった。
ディフェンダーという名前が与えられたのは、1990年。ランドローバーとディスカバリーを区別するために与えられた。1983年から1985年までのモデルは、ワン・テン(110)、90、127と、ホイールベースの長さで区別されている。
ディフェンダーでは、2分割だったフロントガラスが1枚モノになり、ボンネットの長さが伸びた。フロントはフラットになり、フェンダーアーチには膨らみが付いている。
またコイルスプリング式のサスペンションと、パーマネント式四輪駆動システムを搭載。ローレシオ付きの5速マニュアル・トランスミッションとセンダーデフロックなども採用している。
様々なバリエーションが存在する
ブレーキはフロントはディスク式となり、サーボも獲得。シートは快適性を高め、巻き上げ式のサイドウインドウとパワーステアリングを装備する。防音性も改良を受けている。優れたオフロード性能は、犠牲になっていない。
V8エンジンは、全モデルで選択可能に。ボディスタイルはピックアップトラックとバンが選べ、特装を得た仕様も存在した。
実用車としての性格が強かったが、リッチなインテリアに仕立てることも可能だった。フロアカーペットも敷けた。家族で利用するトランスポーター的な機能も担うようになり、装備水準は定期的にアップデートを受けている。
バリエーションは様々で、特別仕様も豊富。英国ではモデルタイプとして27種類が存在していた時期もあり、市場に流通する多くが微妙に異なるスペックを有している。
ボディの錆は大敵。特にシャシーやバルクヘッドは致命的な傷になりえる。極端なオフロード走行は、シャシーを歪め、ランニングギアを傷めてしまう。車高は高いから、確認で下に潜る必要はない。しゃがんで懐中電灯を当てれば、大体は目視できる。
ディフェンダーの車重は軽くない。V8エンジンを積んでいても、動的性能は余裕しゃくしゃくというより、必要十分。しかし、驚くほどの牽引能力を備えている。
オリジナリティを優先したいなら、生産年の仕様とクルマの内容を確認した方が良い。もし違っているなら、アップグレードの内容が適正かどうかを確かめたい。