ロータス・エキシージV6カップ
公開 : 2013.10.19 19:10 更新 : 2017.05.29 19:24
■どんなクルマ?
大多数の人にとっては、ロータス・エキシージV6は完成されたスポーツカーである。非常に軽量で、インテリア・トリムも贅沢な造りで、ミドには345bhpを発揮するトヨタ製のV6スーパーチャージャー・エンジンが搭載されるモデルだ。
しかしごく一部のエンスージァスティックなドライバーは、それでも満足しないようだ。そこで、ロータスはそういった熱心なユーザーのためにスペシャルなモデルを造り上げた。それがエキシージV6カップである。
エンジン・パワーこそ同じであるが、防音効果のあるインテリア・トリムはストリップダウンされ、消火器とロールケージが装備される。ロータスはサーキット走行に適した1台を造り上げたのだ。もちろん、このV6カップもナンバーをとって一般公道走行が可能なモデルである。
■どんな感じ?
このエキシージV6カップをポルシェ911GT3RSと比較することは的外れも甚だしい。このモデルは、よりサーキット走行に焦点を絞ったクルマなのだ。どちらかと言えばケータハムを比較対象にすべきだ。しかし、エキシージV6カップは、少なくともルーフを持ち、オプションでエアコンを装備することもできる。
テストトラックを周回する前に、しばらく一般公道でエキシージV6カップを味わった。しかしそれは決して不快な経験ではなかった。事実、ロードノイズは本当に大きいし、新しいバケットシートはノーフォークの凹凸の激しい道では快適なものではなかった。にもかかわらず、乗り心地は想像を遥かに越えてよかったのだ。
また、スタンダードなエキシージV6で良い印象をもったダイレクトなステアリングはそのままだった。
それでいて、標準的なエキシージV6よりも60kgダイエットされたボディ・ウエイトは、より素早い加速を味あわせてくれたし、コーナリングでのスパっとした回頭感は増している。
4輪ダブル・ウィッシュボーンのサスペンション・レイアウトは変えられていないが、よりパリっとしたフィーリングを持つようにチューニングが施されている。僅かに固いスプリングと、2ウェイに調節可能なダンパーが与えられていることによる。
ロールも少なく、ボディ・コントロールも容易なことは、テストトラックを周回すれば明らかになった。
■「買い」か?
ロータス・エキシージV6カップは、一日中サーキット走行を愉しむユーザーのためのクルマということができる。価格は£62,995(995万円)と高価であり、ロータスもその生産台数を充分には供給できないようだ。
もし、更にサーキットに焦点を絞ったモデルを望むのであれば、エキシージV6カップRが用意されている。こちらは、純粋なレーシング・カーだが、パドルシフトのXトラック・ギアボックス、FIA公認のロールケージが装備されたモデルである。世界中で行われているエキシージ・カップに参加することができるが、価格は£74,994(1,185万円)となる。
(スティーブ・サトクリフ)
ロータス・エキシージV6カップ
価格 | £62,995(995万円) |
最高速度 | 265km/h |
0-100km/h加速 | 3.8秒 |
燃費 | 12.4km/ℓ |
CO2排出量 | 236g/km |
乾燥重量 | 1100kg |
エンジン | V型6気筒3456ccスーパーチャージャー |
最高出力 | 345bhp/7000rpm |
最大トルク | 40.8kg-m/4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |