【詳細データテスト】ポルシェ・タイカン 正真正銘ポルシェのスポーツカーでありドライバーズカー 重量を感じさせない走りと快適性 デジタル偏重の内装は使い勝手に劣る
公開 : 2020.08.08 11:50 更新 : 2021.02.10 17:27
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
タイカンの価格は、エントリーグレードの4Sで8万3367ポンド(約1167万円)からで、ターボが11万5858ポンド(約1622万円)、そして今回テストした最上位機種のターボSが13万8826ポンド(約1944万円)。
つまり、もっとも安いモデルでも、他社の高級EVの最上級版に近い値付けということになる。とはいえ、大型でパワフルな4ドアGTスポーツとの比較なら、もちろんそうはならない。
また、走りのおもしろみは、現状で手に入るEVのなかでも抜きんでている。そのことは、タイカンのポジションを正当化するのに十分すぎる理由といえるだろう。
事実、ドライビングマシンとしての完成度は高く、14万535ポンド(約1967万円)のメルセデスAMG GT 63 S 4ドアクーペ などにも匹敵する。その点でも、やはりタイカン独自の価値には納得できるものが認められる。
残価予想においては、競合車を寄せ付けない強さを見せる。3年/5.8万km走行後の残価率は、ターボSで60%と高いものになるとみられる。
これはテスラ・モデルSパフォーマンスの54%や、メルセデスAMG GT 63 Sの49%にはっきりと差をつけている。4年乗ったとしても、3年乗ったメルセデスより高い金額で売却できる見込みなのだ。
そんなタイカンの弱点を挙げるとするならば、航続距離以外にはないだろう。WLTPモードの公称値は409kmで、モデルSパフォーマンスに182kmの差をつけられている。
今回のテストでは、さまざまな走行状況を経て359kmは走れるだろうという結果になった。そのスポーティさを考えればみごとなものだといえるが、それでもテスラを脅かすことは難しい。