【3億円超え 1万2100rpmまで回る】ゴードン・マレーT50 4.0Lコスワース製V12搭載
公開 : 2020.08.06 11:50
あらゆる点でF1より優れたクルマへ
印象的なインテリア空間は、T50のもう1つのテーマとなっている。
T50のキャビンは、そのライバルやF1よりも広々としており、フロアがフラットになったため、センターシートへのアクセスがしやすくなっている。
ジェット戦闘機スタイルのアナログスイッチギアとインストゥルメントは、比較的シンプルだが、スイス時計と同等の品質を誇る。
サイドマウント式の2つのラゲッジ・コンパートメントは、F1と同じように広々としているが、トップロードも可能となっている。
230万ポンド(3億円)以上のコレクターズ・カーとなるが、日常的に使えるクルマとなるとマレーは言う。
「T50は完全なロードカーとなります」
「パッケージングとラゲッジスペースの、新しいスタンダードを設定します」
「出入りのしやすさ、ラゲッジ容量、保守性、メンテナンスとサスペンションのセットアップなど、あらゆる点でF1より優れたものとなります」
「選択可能なエンジンマッピングにより、あらゆる状況に適した運転モードを提供します」とマレーは述べている。
超軽量ボディ
マレーは、T50の開発中に最も頻繁にベンチマークしたスーパーカーは、1972年に生産されたF1だったと言う。
その理由として、このターボフリーV12とマニュアルギアボックスを備えた、超軽量のセンターシート・スーパーカーを、これまで誰も真似しようとしなかったためだと述べている。
T50の縁石重量は986kgで、マレーが「平均的なスーパーカー」と呼ぶクルマの、約3分の2の重量となっている。
重量の管理のためには、新しい素材を使用するだけではなく、意識を変えていく必要があるとして、設計チームは毎週会議を開いた。
T50のカーボンファイバー製タブシャシーの重量は、すべてのパネルを含め150kg未満となっている。
約900に上る、すべてのナット、ボルト、ブラケット、ファスナーは、軽量化の観点から個別に精査された。
英国のトランスミッションメーカー、エクストラックが提供し、新しい薄壁鋳造技術で設計され、横向きに取り付けられた6速マニュアルギアボックスは、F1で使用されているフェザーウェイトボックスよりも10kg軽量となっている。
一方、コスワースV12は、F1のBMW派生エンジンと比べさらに60kg軽量となっており、カーボンファイバー製のドライバーシートはわずか7kg、そのほかのシートはそれぞれ3kgとなっている。
重いクルマでは実現できない、軽いクルマならではの利点を提供するため、こだわりぬいたと、マレーは言う。
T50は、新しいV12の軽さと660psのポテンシャルで、ほとんどのスーパーカーが960psの出力を必要とした、パワーウエイトレシオを実現する。
排気量は、もともと予想されていた3890ccではなく、3994ccとなると確認されている。
画像 ゴードン・マレーT50、マクラーレンF1、フェラーリ488 GTB、ランボルギーニ・ウラカンEVO、フォードGT【スーパーカー比較】 全105枚