【ドライバーズSUV】アルファ・ロメオ・ステルヴィオ ・クアドリフォリオへ試乗 小変更
公開 : 2020.08.17 10:20
質感を向上させたインテリア
そのかわり、引き締められた足まわりは、日常的な運転環境ではハードコア過ぎた。高価格帯のファミリー向けSUVとして見ると、乗りやすさが犠牲になっていた。
マイナーチェンジ後のクアドリフォリオでは、それらが改善されているが、完全とはいえないようだ。インテリアはラグジュアリーさを増している。でも、大幅に変わったというには、大げさなレベル。
車内で最も大きな変化が与えられたのは、センターコンソール。シフトノブやロータリー・コントローラーを取り囲むように、プラスティック・パネルが広がっていた部分は、美しいカーボン製カバーに置き換わった。見た目もスッキリ整えられている。
タッチモニターの反応速度やグラフィックでは、まだライバルより劣る。ポルシェ・マカンとの差はまだ明確にある。ギャップは縮まっているけれど。
素晴らしいステルヴィオ ・クアドリフォリオのドライビング体験は、従来どおり。ドライバーの気分次第で、大きな興奮を味わえる。
引き締まった姿勢制御を活かし、頭が持っていかれるほど鋭い回頭性も、後輪駆動ベースの圧倒的な直線加速も変わらない。英国の法定速度から大きく外れない速度域で、SUVボディを羽織ったスポーツカーのように楽しめる。
反面、我慢が強いられることも不変。ジュリア・クアドリフォリオと比較すると乗り心地は硬く、落ち着きが感じられない。ダンパーを柔らかい設定にしていても。
妥協なく強い特徴を持たせた高性能SUV
路面の状態に関係なく、アスファルトが毛羽立ち、足まわりが弾んでいるようにすら感じる。高速道路でも、快適とは呼べないほど。
ドライバーズSUVとして、アルファ・ロメオ・ステルヴィオ ・クアドリフォリオへの注目は高まっているはず。しかし、日常的な利用もまかなえるSUVとして考えると、敷居は高いままでもある。
現代の高級SUVなら、快適性と洗練性は一定以上が期待されている。雨の日や買い物の運転で、路面から必要以上の情報を知覚したいとは思わない人がほとんどだろう。
長所と短所を併せ持っている。でも、妥協なく強い特徴を与えた高性能SUVを、アルファ・ロメオが生み出したことは確かだ。筆者が、ステルヴィオ・クアドリフォリオを嫌いになることは難しい。
7万3195ポンド(988万円)の英国価格を払える人は限られる。しかし、従来以上に多くのドライバーを惹きつける可能性はある。
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ ・クアドリフォリオ(英国仕様)のスペック
価格:7万3195ポンド(988万円)
全長:4702mm
全幅:1956mm
全高:1684mm
最高速度:283km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:8.7km/L
CO2排出量:261g/km
乾燥重量:1830kg
パワートレイン:V型6気筒2891ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6500rpm
最大トルク:61.1kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック