【詳細データテスト】メルセデス・ベンツAクラス ドライブトレインの制御は未熟 運動性能は快適性の犠牲に 静粛性は改善の余地あり
公開 : 2020.08.15 11:50
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
A 250eはこの手のクルマにありがちな、大きいバッテリーパックを積む。しかし、その割には軽量だ。ハッチバックということもあるが、多くのセダンやSUVのPHEVより軽く仕上がっている。
EV航続距離は公称70kmほどとなるが、これは重量が抑えられていることの恩恵もあるだろう。日常的な移動距離が50km程度に収まるユーザーならかなり魅力的な数字だろう。自宅や職場で駐車中に充電できる環境にあれば、きわめて少ない燃料費で、一般的なハッチバックと変わらずに走らせることができる。
プラグイン技術のもうひとつのアドバンテージは、CO2排出量の少なさによる税制優遇だ。英国なら、カンパニーカー税率が6%にとどまる。
さらに、ゴルフとA3のPHEV版が生産終了となった今、このAクラスは残価予想でも競合車種を寄せ付けない。3年・5.8万km走行後の残価率は44%で、ミニ・カントリーマン・クーパーS Eスポーツの35%に小からぬ差をつけ、それ以外の大衆ブランド製PHEVを大きく引き離す。当然ながら、残価設定ローンでも有利だ。
使い勝手の点で、非ハイブリッドモデルに対して劣るのは荷室容量のみだが、フロアの下にバッテリーなどを積む以上は仕方ないところ。7.4kWウォールボックスでは1時間45分でフル充電できるが、PHEVとしては十分に使いやすい速さだ。10~80%なら、充電スタンドなどの急速チャージャーで25分しかかからない。