【過度に恐れないで】ベントレー・ターボR カギは整備履歴 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.08.18 10:20 更新 : 2021.07.12 18:45
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
初期のキャブレターエンジンは、キャブレター・ガスケットが傷みやすい。1996年以降のターボRでは、ゴム製のヘッド・ガスケットが劣化しやすい。タペット音がひどい場合、ロールス・ロイス製部品を用いた整備が必要。
冷却系
冷却系が原因で、エンジンに深刻な不具合を招く恐れがある。冷却ファンがエンジンの温度に応じて回転したり、止まったりするか確かめる。回転し続ける場合、交換が必要。
トランスミッション
基本的に信頼性は高い。フルードのフィルターは、定期的に交換しておきたい。
ブレーキとサスペンション
ダンパーやブッシュ、ボールジョイントなどの状態が悪いと、ステアリング系やフロント・サスペンションも一緒に傷みやすくなる。
リアのセルフレベリング・システムは、油圧ダンパー上部のガス・スプリングの圧力変化で動作する。経年劣化でスプリング内のガスが漏れると、サスペンションが硬くなる。油圧ダンパーのコントロールバルブが故障することも。
ブレーキペダルを踏んでブレーキ警告灯が付く場合、アキュムレーターからのフルード漏れの可能性がある。
ボディ
ドアとボンネット、ルーフはアルミニウム製。ドアハンドルやエンブレム周りが腐食することがある。後期型のクルマには、スチール製部品との間にゴム製のガスケットが挟んである。
バンパーのゴム製部品の変形に注意。交換は安く済まないことがある。パテの修理痕も確かめたい。
インテリア
エアコンなど、すべての装備が稼働するか確かめる。単純な電装系の修理でも、費用は安く済まない。
専門家の意見を聞いてみる
エイドリアン・ワース プレステージ・サービス・リーズ代表
「1974年から、ベントレーの販売店で技術者として勤務してきました。20年後に退職し、パートナーとともに独立。ベントレーとロールスロイスを専門とする、ショップを立ち上げました」
「ほかのプレステージ・サルーンと同様に、ベントレー・ターボRも長年面倒を見ています。このクルマは、充分な知識と技術を持った専門家によって、定期的なサービスを受ける必要があります。予防的な整備は、維持費を下げるうえでも重要です」
「整備記録が揃った、専門ショップか正規ディーラーが売り手のクルマを選ぶべきです。また、ごく初期のキャブレターエンジンも、不具合が多いので避けた方が良いでしょう」
知っておくべきこと
英国では、ベントレー&ロールス・ロイス・スペシャリスト協会という団体があり、高い技術力を持つガレージの認定を行っている。また正規部品に準じるOEM部品を製造する企業名も、公表している。