【一番たいせつなのは中身】史上最高のインテリアと機能 クルマの美しいデザイン 6選
公開 : 2020.10.01 19:05
ステアリングホイール
ステアリングホイールが人間と機械の間の主要なインターフェースであることを考えると、多くの自動車メーカーがこの重要性を理解していないことに驚かされる。
F1カーを真似ているのか、近頃はステアリングホイールにできるだけボタンを多く詰め込む作業に熱を挙げている節もあるが、F1カーにはダッシュボードがないからこそボタンが必要なのだ。
ボタンをどれだけ詰め込めるかということではなく、径の大きさや形状、素材にこだわる必要がある。柔らかくてもグリップ力のある素材で覆われていなければならず、何よりも手触りがしっかりしていなければならない。
わたしの現在のお気に入りは、マクラーレン675LTのステアリングだ。リムはアルカンターラ、スポークはカーボンファイバー、ベースは膝の邪魔にならないように少し平らになっている。
それだけだが、そうあるべきなのだ。
しかし、わたしの中ではまだ1970年代のフェラーリのステアリングに対する憧れを捨てられない。
3本のシンプルなシルバースポーク、ブラックレザーのリム、そして跳ね馬のエンブレムで仕上げられたモモのデザインは、わたしにとって古典的なステアリングホイールである。
しかし、今までで最も美しいステアリングホイールを挙げるとすれば、1965年のアルファ・ロメオ・ジュリアGTAのヘレボーレ製ホイールではないだろうか。
ペダル
美しくなくてもいい。足元の奥深くに隠されたペダルは、ボンネットを開けるレバーを探す時にしか見えない。
しかし、これまでにペダルを美しく見せようと試みたデザイナーは少なからず存在する。
わたしはマクラーレンF1を史上最高のペダルを持つクルマとして紹介することに、一切の躊躇もない。
デザインを見て分かるように、真の美しさは機能美だ。F1はこの地球上で他に類を見ないクルマである。
でも、アリエル・アトムも同じくらい好きだ。ティルトンがデザインしたこのペダルは、かかととつま先の切り替えが簡単にできるように、絶妙な位置に配置されている。
正直なところ、古いポルシェ911のペダルは床面にヒンジで固定されているので、美しくはないが、他のクルマとは一線を画している。使いこなすのは難しいが、他のクルマを運転した瞬間に恋しくなるのだ。
スピードメーター
スペースは限られているが、可能性はほぼ無限大だ。
戦闘機のように見えるクルマには、戦闘機のようなインフォメーションディスプレイがあるべきだが、ランボルギーニは期待を裏切らない。
そのTFTスクリーンは、スターウォーズの世界を彷彿とさせるデザインだ。欠けているのは十字のカーソルとミサイルロックアラートだけ(あとは助手席にR2-D2がいれば完璧)。
現在のレンジローバーはただのTFTメーターだが、針が指し示す文字盤の一部だけを照らすようにプログラムすることができるのは、非常にクールだ。
少し遡ると、フェラーリ288 GTOのメーター類は、四角い数字とオレンジ色の太い針が特徴的で、その時代性を見事に物語っている。
しかし、機能的な美しさと比類のない明瞭さを備えた最高のメーターは、非常に謙虚なBMW、すなわち1975年の最初の3シリーズ、E21のものだろう。
わたしは子どもの頃、初めてこの3シリーズのメーターを見たとき、これほどまでに優れたものはないと思った。それから40年以上経った今でも、その考えを変える理由が見当たらない。