【一番たいせつなのは中身】史上最高のインテリアと機能 クルマの美しいデザイン 6選
公開 : 2020.10.01 19:05
シフトレバー
またしても古いフェラーリの話になるが、60年代半ばから90年代の2シーターならば、ほとんどが当てはまる。
シンプルな黒いボールをトップに冠した短いスチールシフトが、6ポジションのゲートをかき回す……それは、V12エンジンのサウンドと並んで、世界で最も崇められているスポーツカーメーカーの象徴である、
初期のフォルクスワーゲン・ゴルフGTIにはゴルフボールシフターが搭載されていたが、握り心地が良く、使いやすいという嬉しい副作用がああった。
シトロエン2CVの「押しつ押されつ」のトランスミッションを使いやすいと言う人はほとんどいないだろうが、オーナーたちには愛されている。
スパイカーC8のシフトは、かなり極端だ。リンケージを露出させており、そのメカニズムをむき出しにしながら、ギラギラと光り輝いている。使うのがもったいないと思えるほど美しい。
ドア
ドアハンドルにはさまざまな形状や大きさのものがある。
クルマのインテリアの中でも数少ない、頻繁に見て触ることが許されているパーツであるため、デザイナーが力を入れるのは当然のことだ。
しかし、フェラーリF40のように、何の努力もしていないのに最高の結果が得られることもある。服と同じで、シンプル・イズ・ベストを証明する一例だ。
また、ドアの収納も時としてわたしたちを興奮させる。
ティッシュ、家の鍵、缶ジュースといった雑多なものを置いておくだけでなく、ランチア・ストラトスのようにヘルメットを収納できるものもある。
度し難い失敗作たち
ここまで素晴らしいインテリアを紹介してきたが、反対にひどいインテリアについても触れておこう。
長い歴史の中、見るに堪えないインテリアのクルマは数多く生み出されてきた。
その中でも特にひどいのが、初代オースチン・アレグロだ。茶色のプラスチックも十分に悪かったが、四角いステアリングホイールは忌まわしいものだった。
それから、シトロエンGSAの奇怪なダッシュボード。計画では、モダンでフレンチでファンキーに見えるようにするはずだったようだが、うまくいかなかった。
しかし、ランチア・トレヴィのダッシュボードよりはマシだったかもしれない。
親切なレビュアーたちは「スイスのチーズのようだ」と評していたが、わたしには、筋膜をゆっくりと蝕んでいく恐ろしい壊死病にかかっているように見えた。いわゆるトライフォビアの類だ。
アルファロメオにはかつて、スピードメーターを誰にも見えないようにクルマの中央に置くのは良いアイデアだと考えた人がいた。1975年のアルフェッタGTVは人間工学的に失敗している。
しかし、同様の失敗作でいえば、BMWの初代iDriveシステムがワーストだろう。コントローラーは8方向に動き、ホームボタンもなかったので、使い方がややこしくてたまらなかった。
時を経て、iDriveは改良を受けながら生き残り、BMWオーナーに利便性を提供し続けている。