【日本のセレブ専用サーキット】なぜ房総半島ばかり? ポルシェに次いでフェラーリやランボも その理由は

公開 : 2020.08.18 05:50  更新 : 2020.08.18 07:51

ゴルフを通じて馴染みのある地域

東京湾に面する千葉県の内房(うちぼう)は、京葉工業地帯であり日本製鉄やJFEスチールなどの大規模な製鉄所や東京電力の発電所などが連なっている。内房の南部は、山林地帯が広がる。

一方、太平洋に面する外房(そとぼう)は、九十九里海岸が広がり、外房の南部は海岸線から内陸部へ山林地帯が広がっている。

アジア初の会員制ドライビングクラブを謳うザ・マガリガワ・クラブの完成イメージ。
アジア初の会員制ドライビングクラブを謳うザ・マガリガワ・クラブの完成イメージ。    コーンズ

こうした、房総半島の県の中部から南部に広がる地域は、日本屈指の「ゴルフ場銀座」として知られている。

平日の朝早く、東京湾アクアラインを通って館山自動車道を南下、またはアクアラインから圏央道を房総半島の中心に向かって突っ切ってくる、品川ナンバーや横浜ナンバーの高級ブランド車が数多い。

東京都心や城南地域など、日本のセレブが集中する居住地域から房総半島は1時間~1時間半ていどで到達できる、身近な「息抜きの場」として定着しているのだ。

また、羽田空港や成田空港からも1時間~1時間半圏内にあり、地方都市から車両を陸送したり、または車両を長期間保管して、走行する度に飛行機で通って来るにも都合が良いロケーションだといえる。

むろん、サーキット走行とゴルフや温泉を組み合わせて楽しむ方々もいるだろう。

最大のポイントは費用対効果

都心から1時間ちょっとで、ゴルフでも馴染みがあって。というならば、神奈川県の湘南、箱根、少し走って静岡県の御殿場があたり。

または、埼玉や茨城の南部も、そうした条件に当てはまる。それでも、なぜ房総半島かといえば、すばりコスパである。

ザ・マガリガワ・クラブのコース。カーステン・ティルケ氏がコースをデザインした。
ザ・マガリガワ・クラブのコース。カーステン・ティルケ氏がコースをデザインした。    コーンズ

不動産関連サイトで検索すれば一目瞭然だが、東京周辺の不動産価格で房総半島の内陸部から南部の土地は圧倒的に安い。しかも、数千から数万坪の単位で購入できる物件がけっこう多い。

筆者は横浜育ちだが、過去数十年間の房総半島の変化を見てみると、1970年代から社員旅行や家族旅行向けの大型ホテル建設が進み、1980年代から2000年代には、大手デベロッパーが別荘地開拓を進めた。

だが、そうしたブームもすっかり冷めてしまい、結果的に建設が継続したのはゴルフ場ばかり、という印象だ。

そうしたなか、自動車の超プレミアムブランドで世界的なトレンドとなってきた、オーナー向けの自社開発サーキット施設でのサービス提供。

ロケーションとコストパフォーマンスを考慮すると、千葉県の房総半島の中部から南部の地域に注目が集まるのは当然である。

ザ・マガリガワ・クラブ、そしてポルシェエクスペリエンスセンター。

どのような仕上がりになるのか、いまからとても楽しみだ。

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