【ホンダと日産合併、実現したら】NSXとGT-Rは共存できる? CR-V/エクストレイル兄弟車に? Nボックスは?
公開 : 2020.08.18 11:40 更新 : 2021.04.22 13:28
マスマーケットは兄弟車だらけになる
合併が実現していた場合、ホンダとルノー日産三菱アライアンスの間で、思い切った「選択と集中」が行われたことだろう。
車種で考えると、SUVの兄弟車が一気に増えたはずだ。
ルノー日産三菱アライアンスでは、これまでのプラットフォーム(車体)の共通化を超え、上屋(うわや)を含めたモデル共通性を推進することが決まっている。
「エクストレイル」「ローグ」「アウトランダー」に加えて、ホンダの「CR-V」が事実上、同じクルマになったかもしれない。
「キックス」「ローグスポーツ」、そして「ヴェゼル」という発想もアリだろう。
「シビック」「アコード」など、C/Dセグメントではホンダ主導となる可能性が高かったはずだ。
軽自動車については、販売台数が多いがコスト高の「Nボックス」などNシリーズを刷新し、「eK」「ルークス」と共に岡山県水島生産となり、ホンダは日本国内生産体制を大幅に絞り込んだかもしれない。
EVについても、中大型車でのGM協業準備を停止し、小型車でのホンダ独自体制を改め、日産とともに中国CATLとの関係を強化して、共通プラットフォームによる兄弟車化の路線を歩んだかもしれない。
高級車でも、インフィニティとアキュラの車両および部品共用性が一気に高まったはずだ。
ハイエンドは個別 高額化する?
では、NSXとGT-Rはどうなっただろうか?
スーパーGTのレギュレーションように車体を共通化した量産車になってしまっただろうか?
この点については、そうはならなかった可能性が高いとみる。
理由は、近年顕著になってきた世界的な超高級ブランドの成功だ。いわゆる、スーパーカーやスーパーSUVといった、3000万円級以上の価格帯で勝負しようとすれば、単純な兄弟車では熱狂的なユーザーは離れていってしまうはずだ。
特にGT-Rの場合、R32、R33、R34の骨董品的価格で取り引きされるほど、ヘリテージ(歴史)に対する価値観が定着しており、そこから枝分かれして、それがNSXとなれば、ホンダと日産の双方にとってネガティブ要因になってしまうはずだ。
次期NSXも、次期GT-Rも、十分な開発コストと開発期間をかけて、欲しい人が即決して買うクルマとして登場することが、両社にとって収益が上がり、またホンダと日産それぞれのブランドイメージを引き上げることになる。
以上、あくまでも合弁が決まっていた場合の可能性を羅列したが、今後、ホンダと日産の合弁話が再発しないとは言い切れない。
ウィズコロナ、そしてアフターコロナの時代の自動車産業を姿は極めて予想しづらい。