【先取りの高性能ワゴンと高級SUV】レンジローバーとトライアンフ2.5 PI 前編

公開 : 2020.08.29 07:20  更新 : 2020.12.08 08:35

MkIIの2.5 PIエステートは4102台のみ

トライアンフ2000自体の販売は堅調で、マイナーチェンジのデザインはミケロッティに託された。イメージを大きく変えずにシンプルなフロントノーズが与えられ、仕上がりは素晴らしい。

MkIIの2.5 PIは1975年に2500TCへとバトンタッチするが、インジェクションのエステートボディは4102台限り。すべてのエンジン版を合算しても、2万2000台に留まる。3ドアのレンジローバーは1980年半ばまでに10万台が製造されたのとは対照的だ。

トライアンフ2.5 PIエステート(MkII/1969年〜1975年)
トライアンフ2.5 PIエステート(MkII/1969年〜1975年)

その後、このデザインはトライアンフ・スタッグとして名を変え、クーペとコンバーチブルへと展開。1970年代後半まで延命されている。

今回ご登場願ったトライアンフ2.5 PIエステートは、ブラッドリー・デイビスがオーナー。熱烈なトライアンフ・ファンだ。オーバードライブとパワーステアリングを備えた、理想的な仕様の1台といえる。

デイビスはこのクルマを、フランス、ル・マン近郊の町で発見したという。英国のナンバープレートを付けたまま、1980年代以降はほとんど走らなかったらしい。英国に帰国後、点検を受けたが状態はかなり良かった。

辛子色の3ドア・レンジローバーはクリス・スタージェスがオーナー。ビショップス・ヘリテージ社でレストアを受け、新車時以上に真新しい状態を保っている。

走行距離は9万6000km足らず。シートは座った形跡すらない、オリジナルのクロス張りだ。以前はスコットランド人のオーナーが、カバーを掛けて乗っていたという。これほど状態の良い3ドアのクラシック・レンジローバーは見たことがない。

この続きは後編にて。

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