【EV人気の裏側】コバルト人権問題 労働者保護をリード、ボルボの「ブロックチェーン」とは

公開 : 2020.08.31 19:50

CO2排出量削減にも期待

コバルトが倫理的に供給されているかどうかの確認が喫緊の課題ではあるが、ブッフハウザーによると、ブロックチェーン技術はボルボのサプライチェーン全体に適用でき、プロセス全体を「可視化」することができるという。

特に、このシステムは、2040年までに気候変動に左右されない企業になるというボルボの目標を達成するための重要なツールとなる。ブッフハウザーは、次のように述べている。

ボルボ日本法人は、100%電気自動車のXC40リチャージP8 AWDを2021年内に日本発売すると発表している。
ボルボ日本法人は、100%電気自動車のXC40リチャージP8 AWDを2021年内に日本発売すると発表している。

「私たちは、CO2排出量を排出源に至るまで追跡することができます」

「ボルボが持続可能性を重視するようになってから、私たちはサプライチェーンを調査し、CO2排出量を削減する方法を検討し始めました。サプライヤーは皆、『ああ、本気なんですね』と言っていましたが、今では私たちのしていることをしっかり理解してくれています」

「ブロックチェーンを使用することで、サプライチェーン全体を最初からマッピングすることができます」

ブッフハウザーによると、このプロセスを導入したことで、サプライヤーはボルボの承認なしに材料の調達先の変更、例えばある鉱山から別の鉱山へと変更することができないようになっているという。

ボルボは、このプロセスに同意するサプライヤーのみと取引を行うようだ。

フォードフォルクスワーゲンなど、他の自動車会社もブロックチェーン技術に多額の投資を行っている。

これですべての問題が解決するわけではないが、コバルトの需要増加が人権問題を悪化させる中、ブロックチェーン技術はコンゴやその他の地域で働く労働者を保護するための重要なツールになり得る。

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