【新型レヴォーグ】本当に次元が違う? 走って感じたこと エンジニアに聞いた開発の裏側 前編
公開 : 2020.08.20 00:00
加速の第一印象は「軽い」だった
コースレイアウトは、約70mの直線で一気に加速し、約60km/hでレーンチェンジ。その後、約30km/hまで減速して、右ヘアピンの途中から一気に加速して、約60km/hでスラローム走行。さらに、路面の段差からの突き上げに対するハーシュネスをチェックする、という流れだ。
加速の第一印象は「軽い」だった。
低回転域からのトルクの立ち上がりが速く、アクセルレスポンスに敏感に反応する。そのため、クルマ全体の「動きが軽い」と感じた。
先代モデルに乗り換えてみて、その差は歴然だった。
この差は、エンジンそのものの差である。
エンジン開発担当者によると「先代1.6L車比で5.1kg-mのトルクアップ、また燃費性能アップを念頭に、先代エンジンとは全くの別物としてゼロベースで作り直した」と明かす。
エンジンのカットモデルの隣には、新旧のピストン・コンロッド・クランクシャフトが展示されていた。
エンジニアが指摘したのは、カウンターウェブ(カウンタウエイト)の薄肉化だ。先代比で約2/3としたことで、エンジンの吹き上がりの良さと、エンジンの前後長の短縮に寄与している。
また、インジェクターを点火プラグのすぐ隣に配置して燃焼効率を向上。ターボチャージャーもひと回り小型化。
リーンバーンのために空気量を上げる効果とアクセルレスポンス向上の両面を狙った。
日本の日常にマッチするトルク特性
エンジン性能特性は、トルクの立ち上がりが先代比で300rpm程度前倒しとなり1500rpm程度で最大トルク値30.6kg-mに達している。
これに、スバルとして国内初採用とした新型リニアトロニックと組み合わせた。
こうした技術革新について、日常生活のなかでユーザーは具体的にどのようなシーンで、差を感じるのか?
街中では、軽いアクセルワークによって心の余裕と運転の余裕が生まれる。停止状態から30km/hまでの加速は2.2秒。先代比で12%の改善という数字だが、体感的な差はもっと大きい。
高速道路の合流や追い越しでは、先代比+5.1kg-mの差は大きいはずだ。今後の公道試乗でチェックしてみたい。
高回転域では先代よりトルクが下がり始めるポイントが4000rpmと1000rpm近く前倒しだが、日本での実用性を考慮したトータルなトルク設定だという印象だ。
気になる燃費は、先代より排気量アップでも、JC08モードで先代のリッター16.0kmから16.5km(18インチ車)へ向上。レギュラーガソリン仕様である。
こうして短い直線路を走っただけでも、先代との差をしっかり感じる新型レヴォーグ。
スバルの真骨頂である、水平対向型エンジンが刷新されると同時に、乗り心地とハンドリングについてはどのような技術革新があり、それをどう感じるのか?
後編へと続く。