【新型レヴォーグ】本当に次元が違う? 走って感じたこと エンジニアに聞いた開発の裏側 後編
公開 : 2020.08.20 11:50
レヴォーグ、キャラ変更は明白な事実
電子制御ダンパーを開発したZFは、欧州のスーパースポーツ系からラグジュアリー系まで幅広いメーカーやブランドへの供給実績がある。
新型レヴォーグで追及した様々な走行シーンでの走りの最適化について、スバルとSTIはZFと共にニュルブルクリンクでの実走テストを行うなど、膝詰めの議論をしてきた。
電子制御ダンパーの基本構造は、ダンパー内部のオイル通路を三重管とし、上部液室と外部リザーバーの間に電子制御で開閉するソレノイドバブルを設置。1秒間に約500回の開閉制御が可能だ。
走行中、路面のギャップを乗り越える際、前輪それぞれにある加速度センサーが動きを感知してダンパー減衰力を緩める。通過速度から後輪ダンパーの動きも制御する。
コーナーリング中は、外側ダンパーの減衰力を高めてロールを抑える。また、減速時や加速時でもノーズダイブとスクワットに対するクルマの姿勢変化を抑える。
こうしたダンパー制御に加えて、パワーステアリング、AWD、アイサイト、さらにエアコンまで、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+という4段階モード切替で、走りの最適化が可能。これを、スバルは「キャラ変」と呼ぶ。
今回は限られた走行環境だったが、キャラ変は明確にわかった。
また、どのモードでも、先代モデルを超える走りの質の高さを実感した。
アイサイトはXへと進化 どう違う?
さらに、アイサイトはXへと進化した。
ハードウエアとソフトウエアの両面で、画像処理の技術、または画像認識の技術についてもこれまでスバルが蓄積してきたノウハウを、新たなるサプライヤーと製品化した。部品本体はこれまでより軽量でコンパクトになっている。
フロントバンパーの両端にミリ波レーダーを装備。これにより、交差点の右左折時や、見通しの悪い道路の横断などで、衝突回避の精度が一気に上がった。
また、ブレーキをこれまでのエンジンの負圧を使ったブースターから電動化することで、自動で制御がかかる際の機動性と上げた。
加えて、国内地図メーカーによる三次元高精度地図とGPSを活用した、自動車専用道での先進運転支援を実現した。
具体的には、高速道路でカーブでの速度の適正化を自動で制御、料金後前後で速度制御、またいわゆる自動レーンチェンジとなるアクティブレーンチェンジアシストを可能とした。
渋滞時には、ハンズオフで走行可能となり、またドライバー異常検知時対応システムでは、警報を鳴らした後、安全な直線路で完全停止する。
こうしたアイサイトXの全機能について、テストコース周回路で体験したが、その精度の高さと、なめらかな動きに驚いた。
新型レヴォーグ、開発の狙いは「超・革新」。
その言葉、けっして大袈裟ではない。