【詳細データテスト】モーガン・プラス・フォー 新設計ながら雰囲気満点 一線級の加速性能 足回りはチューニングの余地あり
公開 : 2020.08.22 11:50
結論 ★★★★★★★☆☆☆
モーガンの最新作であるプラス・フォーは、この上なくニッチな商品だ。そんなことはいうまでもないと思われるだろうが。
これは、オールドスクールな雰囲気と魅力を備えたクルマだ。たしかに、そこは歴史的に見てもモーガンのキーとなる訴求ポイントだった。完全新設計のプラットフォームと、最新のスポーツカーやホットハッチに積まれる4気筒ターボユニットからなるクルマでありながら、そうなのである。
その開発の目的も、意図した用途も、完全にモダナイズされたモーガンを想定している。テスター陣は走らせてみて、これがじつに新鮮な、しかも楽しいスポーツカーだという点で満場一致した。そうはいっても、多少は残念な部分が目についたのも事実だ。
構造を一新したマシンとしては、期待したほどではなかったところもある。もう少し高級感があり、走りの洗練されたスポーツカーを、モーガンは仕立てられたはずだ。もちろん、このワンダフルな老舗メーカーならではのエッセンスを犠牲にすることなしに、である。
それを実現できていれば、新型プラス・フォーはもっと高い評価を得ただろう。とはいえ、今のままでも、モーガンのファンがわずかでも気にするとは思い難い。そして、それこそがこのクルマのもっとも重要なポイントなのだ。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
サーキット走行中に、ヘッドライトのクロームトリムが吹っ飛ばなかったのはラッキーだ。このシロモノは160km/hあたりで風にぐらつきはじめた。もし自分でこのクルマを買ったなら、徹底的に磨きをかけたいくらい好きなアイテムではあるのだが。
サイモン・デイヴィス
かつてのロードスターの記事を読んだ後だったので、ブレーキテストではちょっとナーバスになっていた。でも、このクルマにABSが付いていると知って、心配は解消された。個人的な意見だが、これは最高だ。
オプション追加のアドバイス
パーソナライゼーションのメニューは豊富で、とくに塗装と内装のカラーは選り取り見取りだ。おすすめしたいオプションは、15インチのワイアホイール、そしてスポーツエキゾーストだ。
改善してほしいポイント
・マルチマティックやロータス、もしくはプロドライブあたりと手を組んで、シャシーの再チューンを。基礎はよくできているのだから、細かい味付けを煮詰める価値はある。
・最終減速比をもっとショートレシオにしてほしい。
・シンプルで軽量な遮音材を追加して、クローズ時の車内ノイズをもう少し抑えてもいいのではないだろうか。