【詳細データテスト】モーガン・プラス・フォー 新設計ながら雰囲気満点 一線級の加速性能 足回りはチューニングの余地あり
公開 : 2020.08.22 11:50
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
外見上、この新たなモーガンにおける、これまでにないほど大きな変化は、リアのバッジの変化と関係があるように思われる。これまでプラス4もしくは+4と表記されていたそれは、すべてアルファベットでプラス・フォーと綴られるようになった。
この車名における変更が、メカニズムの刷新を示唆しているのは間違いない。モーガンによれば、パーツの97%は新開発だという。そして、これが彼らの新たな時代の産物であることを際立たせている。
いずれにせよ、プラス・フォーのゴージャスな戦後型デザインは、これまでどおりいかにもモーガンらしいもの。テスター陣はそれをおおいに認めるし、多くのひとびとがそう感じるはずだ。
そのスタイリングの下に、モーガンの4気筒スポーツカーが80年以上にわたって使い続けてきたスティール素材のラダーフレームはない。それに代わるのは、CXジェネレーションと銘打たれた新開発の構造体だ。
接着工法を用いたこのアルミプラットフォームは、たった98kgと大幅な軽量化を可能にするだけではない。4377N/mmというねじり剛性は、エアロシリーズに用いられたアルミシャシーの2倍に達する。
もちろん、モーガンの代名詞ともいうべき木製フレームは健在。プラットフォームの上で、コクピットの骨組みの大部分を構成し、そこにドアやリアのボディパネルが組み付けられる。
フロントには、BMWのB48型4気筒が縦置きされる。ミュンヘンのツインパワーエンジンのファミリーに属するパワープラントで、330iに搭載されるものに近いユニットだ。
最高出力は259psを5500rpmで発生する。最大トルクは、やはりBMWから供給される8速ATと組み合わせた場合には40.8kg-mだが、今回の6速MT仕様では35.7kg-mにとどまる。
1450rpmで発揮されるそれは後輪へ伝達され、公称1013kgというウェイトのクルマにかなりパンチの効いた走りをもたらす。
ブレーキは前後ともベンチレーテッドディスクで、ABSも初採用。アナログを地でいくようなクルマには似つかわしくない、電動パワーステアリングまで備えている。おそらくエミッション規制のクリアや、北米市場での販売を視野に入れたことが、その大きな理由だろう。