【詳細データテスト】モーガン・プラス・フォー 新設計ながら雰囲気満点 一線級の加速性能 足回りはチューニングの余地あり

公開 : 2020.08.22 11:50

走り ★★★★★★★☆☆☆

プラス・フォーに乗って、パワー不足を感じると非難することになるようなシチュエーションを想像するのは難しい。

ウェイトの小ささもあって、オンロードでは、4気筒スポーツカーといわれてすぐに名前が浮かぶようなクルマたちを悩ませるようなレベルの加速をみせる。トルクは容易に引き出せるので、じつに簡単にその加速性能を味わえる。

プラス・フォーの直線加速は、名だたる4気筒スポーツカーたちと肩を並べるレベルにある。重量の軽さと配分、クラッチの操作性やターボらしく低速から太いトルクなどが、それを可能にする要因だ。
プラス・フォーの直線加速は、名だたる4気筒スポーツカーたちと肩を並べるレベルにある。重量の軽さと配分、クラッチの操作性やターボらしく低速から太いトルクなどが、それを可能にする要因だ。    OLGUN KORDAL

ドライ路面のテストコースで計測した加速タイムは、0-97km/hが5.1秒、48-113km/hが4.3秒。ちなみに、2016年にテストした4気筒のポルシェケイマンSは、0-97km/hが同タイム、48-113km/hが3.9秒だった。

クラッチの踏みごたえが一貫していて、テスターふたり分の重量がリアアクスルのほぼ真上に位置するので、素早い発進はひどく難しい仕事ではない。また、一旦走り出せば、精密で、手応えのガッチリしたギアボックスが、加速の工程を助けてくれる。

そうはいっても、このパワートレインが完全無欠だというわけではない。パワーデリバリーには多少ドッカンターボなところもみられるし、4気筒らしい魅力的な荒々しいサウンドが聞こえるものの、負荷をかけると風音や口笛のようなノイズが盛大に混ざる。

それ以上にちょっとばかり残念だと感じたのが、ワイドすぎるギアリングだ。3速で177km/hに届くというのは、ライトウェイトスポーツカーとしてはやりすぎではないだろうか。この手のクルマには、イージーなドライバビリティや世間受けのいいCO2レベル以上に、アナログでクルマとの対話を楽しめることが必要だ。

それでも、ブレーキ性能の水準がかなり引き上げられているのは、ABSの助けも大きい。113km/hからの停止に要する距離は49.5m。2004年にテストしたモーガンV6ロードスターはドライコンディションでも61.3mが必要で、しかも激しくロックしたものだった。

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