【テクノロジーを刷新】メルセデス・ベンツEクラス E300eへ試乗 マイナーチェンジ
公開 : 2020.08.22 10:20
運転支援システムなどもアップデート
インフォテインメント・システムとコネクティビティ・ソフトウェアは、メルセデス・ベンツ最新のMBUXへとアップデート。デュアルモニターが標準装備で、上級トリムグレードを選ぶとサイズが大きくなる。
車両中央側のモニターはタッチ式。インターフェイスとしては、ロータリー・コントローラーではなく、四角いタッチパッドが採用されている。
音声認識システムも、高度になった。正直、筆者としては古いロータリー・コントローラーの方が走行中でも操作しやすいと感じたが、使っているうちに慣れるだろう。
タッチセンサーをステアリングホイールに採用したことで、レーンアシスト機能の利便性も向上。わずかにステアリングホイールを動かし、ドライバーがステアリングホイールを握っていることをクルマへ伝える必要がなくなった。
ドライバーは、タッチセンサーに触れていれば良い。車両間のコネクティビティ機能によって、先行車両の動きから、渋滞時などで自動的に速度を落とすことも可能としている。
エナジャイジング・プラス・パッケージというオプションも注目。Sクラスのように、シートだけでなく、ドアやアームレストにもヒーターが内蔵される。
とても快適なことには間違いない。だが、試乗車にはこれらを含む無数のオプションが搭載され、ドイツでの価格は9万6877ユーロ(1210万円)。少し引いてしまう金額になっていた。
快適な乗り心地でゆったりと走りたい
それ以外のメカニズムでは、電圧48Vのマイルド・ハイブリッドと小さな改良程度。サスペンションも調整を受けている。燃費優先のタイヤに、焦点が向けられたという。
今回試乗したのは、プラグイン・ハイブリッドのE300e。基本的に中身は昨年導入されたものと変わりはない。13.5kWhのバッテリーを搭載し、48km程度のEVモードでの走行を可能としている。
エンジンとモーターとのバトンタッチは、シームレス。とても滑らかで力強い走りを、優れた燃費で実現できる。自宅や目的地で、定期的な充電を繰り返せば。
発進加速も力強く、かなり速い。AMGではないから、圧倒的というほどではない。
PHEV化で増えた車重はプラットフォームで分散され、不快さを感じることはないものの、ゆったりと走る方が向いている。スポーティな走りは目指していないし、クルマとの対話といった感覚も薄い。
姿勢制御は適度に引き締められているものの、ペースを速めていくと洗練度で陰りが見えてくる。最優先されているのは、快適な乗り心地だ。
試乗車にはオプションのエア・ボディ・コントロールと呼ばれる、エアサスペンションが備わっていた。管理の悪い郊外の道でさえ、滑らかにいなしてくれる余裕がある。
PHEVとしてマイナス面もある。車両価格は通常の内燃エンジンと比べれば高い。また荷室容量も、システムが約20%を削っている。