【4代目A3が登場】アウディA3スポーツバック TDIへ試乗 一新のインテリア
公開 : 2020.08.25 10:20
バランスの良いグリップ力と乗り心地
実用性は良好。後部座席でも頭上空間には余裕がり、足元の空間もかなり広々。荷室容量は380Lで、新しいフォルクスワーゲン・ゴルフと同等。フォード・フォーカスよりわずかに広い。
A3のドライビング体験は、少し独特だ。ステアリングホイールへ伝わるフィードバックは、ほとんどない。しかしステアリングを切り込んでいくほど、安心感につながる重みが増していく。
グリップレベルは、A3の動的性能と良くバランスしている。横方向のロールも、上品に抑制されている。隆起部分などを通過してもスムーズに屈伸し、垂直方向の姿勢制御で乱れることはない。充分な柔軟性を備えている。
一方で、細かな路面の荒れを完全になだめられるわけではない。路面状態によっては、特にリアタイヤ側で落ち着きが不足するようだ。だが、許容範囲ではある。
サスペンション周りからのノイズは、しっかり遮断されている。舗装が一部剥がれたような区間でも、伸縮時の余分な音は良く抑え込まれている。
ディーゼルエンジンは強力。1600rpmを過ぎると、36.7kg-mという豊かなトルクが生み出される。息を呑むほど速くはないものの、短時間で安全に追い越しを完了するには、不足ない。
質感はディーゼルとして洗練されているが、高負荷時のサウンドは繊細さに欠ける。ガソリンエンジンではないことを、しっかり知覚させてくれるボリュームがある。
オススメしたい要素は沢山ある
7速デュアルクラッチATは、基本的にマナーが良い。以前までの悪癖は、なくなったといえるだろう。
ディーゼルエンジンに対する逆風が収まらず、電動化技術の採用が急速に進む昨今。純粋なディーゼルエンジンのハッチバックは、少し異端的に思える。
筆者としては、長距離運転を定期的に繰り返すような乗り方をしない限り、ガソリンエンジンを選びたいと考える。社用車として導入するなら、ディーゼルのメリットはあるだろう。
最新のアウディA3をお勧めしたい部分は、沢山ある。容姿はスマートだし、インテリアも実用的。安定性に優れ、動的性能にも不満はない。先進的な運転支援システムも、多くのドライバーを惹きつけるはず。
確かに、アウディA3は少々刺激に欠ける。しかし代々、標準のアウディA3はそんなものだったと思う。
アウディA3スポーツバック35 TDI Sライン(英国仕様)のスペック
価格:3万1655ポンド(427万円)
全長:4343mm
全幅:1816mm
全高:1430mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:8.4秒
燃費:20.4km/L
CO2排出量:206-128g/km
乾燥重量:1410kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー
使用燃料:経由
最高出力:150ps/3000-4200rpm
最大トルク:36.7kg-m/1600-2750rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック